バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 他

バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生 ★★★★★★☆☆☆☆
世界観はバットマンなんですが、監督がザック・スナイダーなので細かい仕掛けというより迫力のある映像で惹き込むタイプ。予想していましたけど、「マン・オブ・スティール」寄りですね。全体的に大味ですけど、バットマンがバットモービルに乗って戦うシーンなどは、その迫力がプラスに働いていて楽しかったです。
ただ、いかんせん展開が唐突すぎ。あれだけの要素を盛り込むには150分の尺でも足りるはずもなく、人物の背景を描くのは諦めたのか設定も彼らの関連性も何も見えてきません。まぁ、さすがにこれを観る人はバットマンとスーパーマンくらいは知っているでしょうけど、ワンダーウーマンの登場シーンには誰?ってなりましたよ。バットマンとスーパーマンの力の差も本来ありすぎるので、それもまた緊張感を削ぐ原因かも。
個人的にはベン・アフレックのバットマンに違和感が残りました。これまでに比べてバットマン姿がいかつすぎるんですよね。

◆関連作の評価
「ダークナイトライジング」 ★★★★★★★★★☆
「マン・オブ・スティール」 ★★★★★☆☆☆☆☆

アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン ★★★★★★☆☆☆☆
前作は純粋にお祭り映画として楽しめたんですが、今回はパワーダウンは否めません。多くの要素を詰め込みすぎだし、自分たちできっかけを作っておいて解決したらめでたしめでたしのご都合主義など、ハリウッド映画の悪い面が出てしまっている感じ。
正直、今回はアイアンマンとハルクがいればいい作品です。ソーやキャプテン・アメリカの存在も地味ですし、メンバーの力の差がありすぎるため、ブラック・ウィドウやホークアイの扱いは酷いの一言。特にホークアイは出番こそ増えているものの大きな見せ場もなく、セリフが増えた分、以前の渋みも消えてしまいました。そもそも弓矢は白兵戦に弱いんだから、もっとサポートキャラクターとしての魅力を発揮させてほしかった…。
そういう意味では、今作はマキシモフ姉弟の存在が大きいですね。スカーレット・ウィッチは敵に回すと脅威ですし、クイックシルバーの素早い動きの表現もかっこよかったです。しかし、実は彼らはX-MENからの参戦のようなんですけど、大人の事情で公にはされず。登場はするけど本来の設定が活かされない、このあたりの中途半端さが作品のお祭り気分を醒めさせてしまった一因かと思います。

◆前作の評価
「アベンジャーズ」 ★★★★★★★★☆☆

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JSA 他

JSA ★★★★★★★★★☆
シン・ハギュン出演作品が急に観たくなってレンタルしましたが、それ以上にソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエという強力すぎる布陣。そして、復讐三部作でお馴染みのパク・チャヌク監督が、それ以前にこんな傑作を生みだしていたとは…。
舞台は朝鮮半島を南北に分断するJSA(共同警備区域)。そこで北朝鮮側の兵士が殺され、韓国側の兵士が容疑者として取り調べを受けるところから映画は始まります。サスペンスっぽい謎だらけの展開に面食らうも、次第に明かされる真相にあっという間に惹き込まれました。
サスペンスのようでも根底に描かれているのは敵同士でも芽生え得る深い絆。本国ではこれをリアリティがないと捉える意見もあったようですが、僕にはこれを観ることで多くの人が希望を持てるようになると確信しましたし、どの国にいても現在の朝鮮半島のように分割されてしまう可能性があるということを強く感じることができました。観賞後は何とも言えない無力感とともに、素晴らしい作品に出逢えた感動に包まれます。
間違いなくパク・チャヌク監督作品の中でも1、2を争うほどの傑作ですけど、個人的にはイ・ビョンホンがここまで演技ができるということに今さらながら驚かされました。泣き顔ですらかっこよかったです。



ドント・ブリーズ ★★★★★★★★☆☆
日本でも昨年末に話題になり、ロングラン上映されていたホラー映画。あまりにも評判がよかったので配信と同時にレンタルしてみました。
常習的に強盗を繰り返す主人公たちは新たなターゲットとして、一人暮らしの盲目の老人宅侵入を試みる。目が見えないのだから楽勝だろうと高を括っていたら、実はこの老人、退役軍人でめちゃくちゃ強かった…という話。
この設定の素晴らしいのは、ターゲットを盲目にすることで主人公たちに油断要素を入れているところでしょう。油断したまま家に押し入るので老人に気付かれた後に対抗する手段をほとんど持っていません。さらに暗闇になると立場が逆転。相手は元軍人だから銃も扱えるし、白兵戦にも強い、さらに目が見えない分聴覚に優れていますし。悪者だったはずの主人公たちが一気に可哀そうになってしまいました。
ただ、老人の前半の強さと後半で明かされる彼の謎のインパクトが強かっただけに、彼の怖さに慣れてしまった終盤はやや単調に映ってしまいましたね。それと、設定ほどの新しさを観賞後に味わえなかったのも残念。

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シング・ストリート 未来へのうた 他

シング・ストリート 未来へのうた ★★★★★★★★☆☆
ネット上でいい評判は目にしていたんですが、ジョン・カーニー監督は同じく評価が高かった「ONCE ダブリンの街角で」もピンと来なかったので、躊躇していた部分はありました。ただ、今回は80年代のポップカルチャーがメインで扱われているためにとっつきがよくなった感じ。
バンドメンバーも全員個性的でよかったですが、それ以上にヒロインが魅力的ですね。ケバいメイクとは裏腹に声や話し方は幼く、高校生なのに大人の男と付き合うちょっと背伸びしたところも可愛げあり。分かる人は限られるでしょうけど、杉浦美幸が演じた「ヤヌスの鏡」の主人公を思い出しました。そんなキャラクターが見えるからこそ徐々に主人公に心を開く様子も自然です。
楽曲も急造バンドにしては最初からよく出来すぎている嫌いはあるものの、ちゃんとストーリーが進むにつれさらなるクオリティアップが見られるところがたまりませんね。中華っぽくアレンジされた最初の「The Riddle Of The Model」も大好きですが、その時代のキラキラ感を最大限に表現した「Drive It Like You Stole It」が最高です。目新しいわけではないストーリーでも素晴らしい楽曲で構成するとこれだけの傑作になり得るというお手本。アダム・レヴィーンの歌う「Go Now」が流れるエンディングでは胸が熱くなりました。

◆ジョン・カーニー監督作品の評価
「ONCE ダブリンの街角で」 ★★★★★★☆☆☆☆



あなた、その川を渡らないで ★★★★★★★★☆☆
予告編を見るだけで涙腺が緩むほどだったので期待は大きかったんですが、映画に入り込むまでには時間がかかりました。主役の二人がよぼよぼのおじいちゃんとおばあちゃんだから、パッと見の美しさはないし、
老いの現実を淡々と見せられるのでツラさの方が上回ってしまうんですよね。妻の方は89歳にして中身は少女のようで、それがかえって作り話っぽく見えてしまったり…。
それでも、徐々に二人の絆が見えてきて惹き込まれました。
この夫婦には12人の子どもがいたんですが、戦争や病気でそのうち6人を幼くして亡くします。当時は貧しくて温かい服一つも買ってやれなかったと嘆く妻が夫と街へ出掛け、今はもう着せることができない子供服を買ってあげるエピソードがあるんです。もう半世紀以上も前の話なのに、思い出話を語りながら妻は泣くんですよね。映画自体は90分程度の尺ですが、この二人には長い歴史があって、どんなことも夫婦で乗り越えていたんだというのがはっきり伝わってきます。偉人でもない、ただの田舎の夫婦にこれほど大きなドラマがあるとは!
ズルいですよ。そりゃ、泣きますよ。ズルいけれども、倦怠期の夫婦は必見の一作なのは確かです。

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イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 他

レヴェナント 蘇りし者 ★★★★★★☆☆☆☆
「バードマン」でアカデミー賞の作品賞を獲ったアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督の最新作。そこに主演がレオナルド・ディカプリオと来れば期待するなという方が無理な話です。イニャリトゥ監督としては最高級の映像。熊とグラス(ディカプリオ)の格闘シーンは話題になりすぎて想定内に終わってしまいましたけど、雪に覆われた大自然を普通に観ているだけでもワクワクできました。
ただ、前半の緊張感に比べると後半は淡白だったなぁ。グラスはただただフィッツジェラルドを追いかけるだけ。本当なら熊に負わされた傷との戦いも見どころの一つになるはずなのに、その壮絶さがどうも嘘臭く映るんですよね。ディカプリオにオスカーをあげるんだったら絶対に「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の方が相応しいと思うし、本作のグラス役ならもっと適した俳優がいたはずという思いだけが残りました。
全体的に力を入れて作られたのは伝わるものの、捻りが少なく面白味には欠けた作品でした。

◆アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品の評価
「バードマン あるいは (無知がもたらす予期せぬ奇跡)」 ★★★★★★★★☆☆

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 ★★★★★★★★☆☆
最初に乱暴な言い方をしてしまいますが、僕が現在のハリウッド俳優で<生理的に>苦手な俳優というのが3人いて、一人が「レ・ミゼラブル」で最初に観たエディ・レッドメイン、もう一人が「マイティ・ソー」のトム・ヒドルストン、そしてこの作品の主演を務めているベネディクト・カンバーバッチなのです。
しかし、エディが「リリーのすべて」の繊細な演技で一気に印象をよくしたのと同様に、カンバーバッチも本作での演技は抜群でした。彼が演じたのはエニグマ解読に挑むイギリス人数学者、アラン・チューリング。周囲に理解されず上手く溶け込めないという天才ならではの欠点も持ち合わせているものの、後に婚約するジョーン(キーラ・ナイトレイ)らの支えもあり、現在のコンピューターの基礎と作り上げるまでに至ります。
エニグマに関してはタイトルほど重視されていませんし、マシュー・グードとキーラ・ナイトレイの好演はあってもヒューマンドラマとしても良作止まり。しかし、主人公の孤独が凄まじく胸を打ちました。同性愛者が罪と言われていた時代に育った彼は若くして死んだ初恋相手の名前をコンピューターに付け、愛情を注ぎます。ただ変わり者なんじゃない、その相手ほど愛せる人間がいなかっただけなんだというのが悲しみに拍車をかけるし、結末も惨いものです。それでも、「誰も予想しなかった人物が誰も想像しなかった偉業を成し遂げる事だってある」、「あなたが普通じゃないから世界はこんなにすばらしい」という劇中の名セリフが、彼が決して不幸な人間ではなかったということを証明し、不思議と背中を押されたような気分になりました。

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ムーンライト

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今年のアカデミー賞で作品賞を受賞した上に、おそらく発表時のアクシデントにより注目度が増し、近所のシネコンでも急遽上映されることになったので、さっそく観に行ってきました。
差別を描いた映画は数あれど、黒人でゲイというマイノリティ×マイノリティ作品は珍しいですね。黒人映画というと銃とドラッグに塗れたマッチョな世界か、白人から迫害される差別を描いた内容と相場が決まっていたんですが、本作はストレートな恋愛映画です。

この映画、登場人物のほとんどが黒人なので、人種差別というものは存在しません。しかし、ゲイの主人公は気が弱くナヨッとしているので、マッチョな黒人社会では当然のように虐められます。加えて、母親はドラッグ依存症。
少年時代の主人公、シャロンはそんな苦境にありながらもフアンという男と出会い、泳ぎを教わったり心の安らぎを得ながら成長していきます。10代になった彼は同級生に恋をし、距離を縮めていきますが、同性愛が理解されない世界の中でそれもまた悲しい終わりを遂げてしまいます。映画は彼が20代に成長し、その相手と再会するところまで描いているんですが…。

まず印象に残ったのが映像と音楽の美しさ。
作品名にあるように、映像面の見せ場は月明かりに照らされて青く輝く黒人の肌でしょう。中でもフアンがシャロンに泳ぎを教える場面ではその水面の揺らぎと、BGMのヴァイオリンが素晴らしくマッチして官能的ですらありました。
黒人映画でここまで静かで繊細な作品は過去になかったのではないでしょうか。

キャスト的にも、それぞれの世代のシャロンを演じた3人も素晴らしかったですし、オスカーを獲ったマハーシャラ・アリはもちろん文句なし。しかし、個人的にはドラッグ依存症の母親を演じたナオミ・ハリスにグッときました。「007」シリーズではゴージャスなマニーペニーだった彼女が、クスリ漬けで息子に暴言を浴びせる最低な女なんですよ。これが本当に憎くて仕方ないんですが、同時に「ナオミ・ハリス、すげーぞ」と感心しっぱなしでした。ミュージシャンのイメージしかなかったジャネール・モネイもよかったな。

ただ、10代の展開が最高だっただけに、20代のエピソードが弱く感じてエンディング後の余韻が残らなかったのは残念。観賞後のカタルシスはゼロに近かったです。
そのせいか、アカデミー賞の作品賞という目で見るとやや弱い気もして、ここ数年、白人至上主義と言われたアカデミー賞や、トランプ政権の反動というのも否めませんけど、逆にオスカーを獲らなければ隠れた名作として語り継がれていた可能性もあるなと思わせてくれる、そんな秀作でした。

★★★★★★★★☆☆

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  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
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