Music Review(2017年12月Part2)

Ctrl / SZA ★★★★★★☆☆☆☆
グラミー賞で新人賞をはじめ4部門でノミネートされ、アメリカでは各誌の年間ベストに選出されるなど、大注目の新人アーティスト。
なるほど、通好みの実力派ですね。独特の訛りのある個性的なヴォーカルに、Frank OceanやSolangeの最新作からの流れにある2010年代のオーガニックソウル。ジャズやヒップホップの要素も取り入れつつ、独特の浮遊感とキレのよさを両立させています。
まぁ、僕は先の二人のアルバムもピンと来なかった口なので本作も評価は辛口ではありますが、シングルカットされた「(2)Love Galore」や「(6)The Weekend」には確かに光るものを感じますし、Maroon 5とコラボするなどジャンルレスに活躍できるところも証明しているので、末永く聴いていきたいシンガーではあります。

「The Weekend」(US29位、US R&B1位)


Reputation / Taylor Swift ★★★★★★★☆☆☆
前作「1989」で大胆な路線変更に成功したTaylor Swiftは、今回もMax MartinとShellbackコンビを制作の中心に据え、ポップ路線をさらに強めてきました。EDMやヒップホップの色が濃く、いきなり「(1)...Ready For It?」ではラップを披露するなど、もはやデビュー当時のカントリー少女の面影はありません。一度で惹き込まれるような感じではなくなったものの、今までにないダークな雰囲気は好みです。
個人的なベストトラックは、Ed SheeranとFutureを迎えた「(2)End Game」。Taylorのヴォーカルは比較的抑えめなんですけど、それが客演の二人との絶妙なバランスに繋がっていて心地よい1曲に。その点では「(11)Dancing With Our Hands Tied」も同様ですね。
前作の先行シングル「Shake It Off」ほどのインパクトがない分、あそこまで長く聴けるかは分かりませんが、昔のカントリーテイストを期待しなければ十分なクオリティを持ったアルバムだと思います。

◆前作の評価
「1989」 ★★★★★★★☆☆☆



「...Ready For It?」(US4位、UK7位)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review(2017年12月Part1)

Heartbreak On A Full Moon / Chris Brown ★★★★★★☆☆☆☆
多作なアーティストであるChris Brownの8thアルバムは、何と2枚組45曲という大ボリューム。しかもクリスマス前にはさらに12曲ものボーナストラックを収録したデラックス盤までリリースしてきました。本来ならそのサービスを歓迎するべきなんでしょうが、自分は否定派。収録曲はどれも及第点は超えているもののこれまでの彼のイメージを覆すようなインパクトはないし、決め手にも欠けるんですよね。バラエティに富んだ楽曲を揃えてはいても、アルバムとしての流れがなくとっ散らかった印象が残ります。これを一気に聴くのはかなりキツい…。
サンプリングネタも2pacの「California Love」やKevin Lyttleの「Turn Me On」などの有名曲を含んでいるんですけど、この人は過去に自身のイメージにピッタリのMichael Jackson「Human Nature」なども使っていますしね。
近年のアルバムを聴くたびに、僕の中でのChrisの最高傑作「F.A.M.E.」を引っ張り出してしまうんですけど、あの作品はアップもミッドも隙がない奇跡の一枚だったんだなぁと今頃になって気付かされてしまいました。

◆前作の評価
「Royalty」 ★★★★★★★☆☆☆

「Party」(US40位)


The Thrill Of It All / Sam Smith ★★★★★★☆☆☆☆
衝撃のデビューを飾ったSam Smithの2nd。多くのアーティストがそうであるように、彼もバラエティ豊かなお披露目作品の後に、個性をより強めて作風がはっきりした新作を送り出してきましたね。
ただ、個人的にはそれが肩透かしでした。
前作は「Money In My Mind」や「La La La」をはじめ、意外とアップが多く、どれもただのダンスミュージックに終わらない独自性を持っていました。だからこそ胸が締め付けられるような悲しいラブソングもより引き立ったわけです。しかし、今作はそのどちらにも属さない落ち着いた楽曲が大半を占めています。これが彼の成長の証しなのかもしれませんけど、今のうちはもっとドラマチックなアルバムを聴かせてもらいたかったというのが本音。
とはいえ、一つ一つの楽曲のクオリティは非常に高く、そのヴォーカルの力はまるで賛美歌を聴いているように神聖な気分にもさせられました。旬の音楽ではなく、普遍的なサウンドを求める人なら一度は聴いておくべきアルバムです。

◆前作の評価
「In The Lonely Hour」 ★★★★★★★☆☆☆

「Palace」

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review(2017年11月Part2)

Beautiful Trauma / P!nk ★★★★★★★★☆☆
安定のP!nk。
政治的なメッセージを込めた「(4)What About Us」を1stシングルにしたことで路線変更も予想しましたが、アルバムには従来の私的なリリックも多く、しかしそれをキャッチーなポップソングに仕立てることでリピートしたくなる中毒性も兼ね備えています。今のところ(4)がずば抜けて好きですけど、明るい幕開けの「(1)Beautiful Trauma」や疾走感が気持ちいい「(9)Secrets」など、耳に留まる良曲揃いです。
不満点は、やはり代わり映えのなさでしょうか。アルバム中ではバラエティに富んでいてマンネリにならない工夫がされているんですが、P!nkの曲としては過去に聴いたことがあるような雰囲気の曲も多くあり、驚きというものは全くありませんでした。まぁ、これは彼女の個性の強さが仇となっている部分もあるんでしょうけど。

◆前作の評価
「The Truth About Love」 ★★★★★★★☆☆☆



チャニング・テイタムとの共演が話題の「Beautiful Trauma」(US95位、UK29位)


Meaning Of Life / Kelly Clarkson ★★★★★★★☆☆☆
耳馴染みのいい曲を揃えながらも、彼女の歌唱力もじゅうぶんに味わえる良作。第一子が成長し、母親としての成熟性が表に出てきた感じでしょうか。シングルの「(2)Love So Soft」が代表するように、パワフルかつ包容力に溢れたヴォーカルが心地よし。
個人的には彼女の代表作である2nd以来の完成度だと思います。声の魅力は増し、ところどころで散見されるレトロな音使いもこのヴォーカルと相性抜群。
上のP!nk同様、大人でも聴けるポップスに仕上がっているんですが、P!nkやAdeleほどの個性がないのが惜しいところ。ミッド~スロウならP!nkより上だと思いますし、控えめな歌い方の楽曲もあるにはあるものの、トータルで声を張っているような印象が残ってしまうのは表現力の問題なのかな。

◆前作の評価
「Stronger」 ★★★★★★☆☆☆☆

「Love So Soft」(US47位)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review (2017年11月Part1)

Younger Now / Miley Cyrus ★★★★★★☆☆☆☆
ティーン・アイドルとしての活躍があって、前作「Bangerz」のPVではヌードを披露するなど見事な"Good girl gone bad"っぷりを披露したMileyでしたけど、今回は恋人の存在もあり全編ハッピーなアルバム。
先行シングルを聴いた時から覚悟はしていましたが、制作陣の中に前作のヒットに貢献したMike WiLL Made-Itの名前はなく、刺激ゼロのカントリーテイストです。おかげでセールスは大不振。まぁ、若いファンはカントリーではつまらないでしょうし、普段カントリーを聴くような層は彼女をアイドルとして見ているでしょうからね…。
しかし、これがよくあるアーティストの私生活が幸せになったことによって生まれた凡作かというと、全く違います。表題曲「(1)Younger Now」でのヴォーカルはどこまでも自然体で伸びやか。こんなに素敵な歌を歌える人だったとは。
音楽的には好みではない方向に行ってしまいましたし、確かにアルバムにはパッとしない曲もあるんですが、僕は本作で彼女をより好きになりました。

◆前作の評価
「Bangerz」 ★★★★★★★★☆☆

「Younger Now」(US79位、UK54位)


Bluebird Of Happiness / Tamar Braxton ★★★★★★★☆☆☆
以前から高い評価を得ているアーティストではありますが、アルバムを聴くタイミングを逸したままここまできてしまいました。
なるほど、姉のToniを彷彿とさせる低音から、高音はKeyshia Coleを思わせる箇所もあり、ヴォーカリストとしての魅力はなかなかのもの。アルトヴォイスといえばこの人!だったToniよりも幅が広い分、敷居も低いんじゃないでしょうか。
全体的にはしっとりとしたスロウ~ミッドが中心で歌を聴かせることに重点を置いた作品。サンプリングも王道のものが多く、耳馴染みがいいですね。個人的にはCurtis Mayfieldの同名曲をサンプリングした「(5)The Makings Of You」がいいなと思っていたら、プロデューサーがRodney Jerkins…。最近表舞台で名前を目にしなくなっていましたが、いまだにいい仕事をします。他も佳曲揃いですが、唯一、異国調の「(3)Run Run」だけはかなり浮いていたような気がします。
それと、敷居が低い半面、どうしても絶対的な個性に欠けてしまうというか、ヘビロテしたくなるほどのパワーはありませんでした。本人曰くこれがラストアルバムだそうですが、まだまだ発展途上のアーティストに思えるので、気が変わって数年後に新しいアルバムを届けてくれることを期待しています。

「My Man」(US21位)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review(2017年9月)

Harry Styles / Harry Styles ★★★★★★★☆☆☆
僕がHarry Stylesという名前を知ったのはTaylor Swiftと交際していた時期で、そのせいで1Dの中でも最もアイドル然とした人というイメージが強かったんです。しかし、先行シングルの「(2)Sign Of The Times」は、昨年David Bowieを初めて聴いてUKロックを再評価した自分には衝撃的な一曲でした。彼のヴォーカルがこんなにハスキーでこんなに力強さと哀愁を感じさせるものだとは全く知りませんでしたし。
アルバムも(2)が突出しているとはいえ、アコースティックな良曲あり、「(3)Carolina」や「(7)Kiwi」のように現行ダンスロックに挑んだ曲ありで、驚きのクオリティ。個人的には、音に重みのある「(9)Woman」も心地よく聴けました。
まぁ、あくまで1Dメンバーのソロ作として見た場合の意外性というだけで、今後もこの路線でソロ作を作り続けるのならもう少し強烈な個性がほしいところですけどね…。

「Sign Of The Times」(US4位、UK1位)


Flower Boy / Tyler, The Creator ★★★★★★★★☆☆
「Goblin」のダークな作風しか知らなかったので、安易に手が出せないアーティストといったイメージがついてしまっていましたが、こんな世界観も作り出せるとは…。ゲストはR&B勢が目立ち、温かみのある歌モノアルバムとなっています。同じOdd FutureのFrank Oceanの他、EstelleやPharrell Williamsといった個性的なヴォーカリストたちの助けもあって楽曲のバリエーションも豊富。これがまたどれも心地良いんですよ。
かと思えば「(5)Who Dat Boy」ではTylerらしい不穏なトラックとラップが炸裂するなど、飛び道具的な役割&従来のファン向けの曲も用意されているのにも驚き。ずっとこれまでキャラ勝負のアーティストだと思っていたんですけど、意外と計算高く制作できる人なのかもしれません。
昨年世間で絶賛されたFrank Oceanは、個性が強すぎて個人的にはのめり込めなかったんですよね。そういう意味では、このタイミングで良質な歌モノが出てきてくれたのは本当に嬉しいです。

◆Tyler The Creator作品の評価
「Goblin」 ★★★★★☆☆☆☆☆



「Who Dat Boy」

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

プロフィール

いぬふく

  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
    詳しくはプロフィールページからどうぞ!
最近の記事
カレンダー(月別件数付き)
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
ブログ内検索
リンク
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


いぬふくの最近観たDVD
いぬふくの今読んでる本