聖なる怠け者の冒険 / 森見登美彦



森見作品3作目。「夜は短し歩けよ乙女」を読んで、そのユルさと京都の世界観に魅了されましたが、本作でもその魅力は健在。だって主人公の小和田くんは、なるべく休日をだらだら過ごしたい怠け者なんですから。これほど共感率が高い主人公はそうはいません。

小和田くん以外の登場人物はもっと個性的。町のヒーロー、ぽんぽこ仮面をはじめ、小和田くんの上司である後藤所長、職場の恩田先輩とその彼女の桃木さん、小和田くんに負けず劣らず怠け者の浦本探偵と、助手の玉川さん…。全員の言動が奇怪で、そのやり取りだけでも十分個性的です。
本作に関しては、挿絵もまたその世界に浸るために必要不可欠な要素ですね。

ただ、これまで読んだ2作に比べると大きな筋というものがないため、宵山でみんながワチャワチャ騒いでいるだけで全く盛り上がってきません。結局のところ、主人公が怠け者である必要性さえないような気がしてくる…。後半は突然ファンタジー色が強くなったりして、置いてきぼりを食らった感もありました。文体は健在とはいえ、「夜は短し~」や「四畳半」が好きな人向けではなさそう。「宵山万華鏡」や「有頂天家族」といった他の作品とのリンクもあるようなので、そちらに触れた人なら違う視点からも楽しめたのかもしれませんけど、単体でも満足できる作りにしてほしかったところ。
ただし、最後のトリッキーな展開は楽しめたので、読後感はさほど悪くなかったです。おかげで駄作は免れたかな。

◆森見登美彦作品の評価
「四畳半神話大系」
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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