白砂 / 鏑木蓮



2013年に文庫化された作品ながら、最近、書店で感動を謳った帯とPOPを発見し気になったので、図書館で借りてみました。

この「白砂(はくしゃ)」にはいくつかの意味が込められているのですが、その主役になるのが「お骨」。
序盤で登場する骨は誰のものなのか、殺された小夜の祖母はなぜ彼女の遺骨を引き取ろうとしないのかという謎が散りばめられていて、殺人に至った背景を追う作りになっています。

犯人は早い段階で予測できてしまいますが、そういう本ではないと割り切れれば大丈夫。しかし、こちらが犯人を知っても刑事たちは何も知らない状態で話が進んでいくので、読み進めていくうちにどんどん距離が生まれてしまい、必要以上に冷静になってしまいました。

思い込みによる犯罪というのも、まるでテレビのサスペンスドラマのようですね。文章自体は非常に読みやすいんですけど、この場合、丁寧に説明されればされるほど安っぽくなってしまう気がするんです。書店では「涙腺崩壊!」というくらいの推され方をしていたように記憶していますが、テレビの2時間サスペンスで号泣する人がそれほどいるのか。同様に、2時間サスペンスのノベライズのような本作に感動を期待するのはおかしい気がしました。
それと、2時間サスペンスの醍醐味である犯人の自供シーンも、本作では弱かったなぁ。真犯人だけでなく、被害者の小夜も苦労人でいい子という描かれ方をしているのにもかかわらず同情しづらいし、主役の刑事と若手の相棒もありがちな性格設定で魅力に欠けるなど、人物描写が甘いのも感動が薄れた一因でしょう。
スポンサーサイト

テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

いぬふく

  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
    詳しくはプロフィールページからどうぞ!
最近の記事
カレンダー(月別件数付き)
カテゴリー
最近のコメント
最近のトラックバック
ブログ内検索
リンク
RSSフィード
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる


いぬふくの最近観たDVD
いぬふくの今読んでる本