ソロモンの偽証 第1部 事件 / 宮部みゆき



この記事を書いている時点でようやき3巻を読破、つまり折り返し地点に突入したところですが、さすがに長いですねぇ。各巻500ページ超、全巻読めば3,000ページを超える大長編ですから、「模倣犯」並の力作です。

今回は学園ミステリー。
一人の中学生がクリスマスイブの夜に学校の屋上から転落死したことが様々な憶測を呼び、遂には教師や親、マスコミまでを巻き込んだ学校裁判にまで発展していく…。
とはいえ、この第1部はまだ裁判という名前も出てきません。警察やマスコミから語られる話もあるんですが、まだ噂レベルを脱していないので、事件に対する興味はさほど湧いてこないというのがこの時点での感想。マスコミも裏付けなく適当な報道をするものなんだろうか。本編に直結していない垣内美奈絵のエピソードの方が興味をそそられるけど、あれがメインになってしまうと学園ミステリーじゃなくなるからなぁ。

最も気になるのは、文章から漂う湊かなえっぽさ。子どもたちのダークサイドを容赦なく描いたという点では「告白」を彷彿とさせます。三宅樹理と浅井松子の関係などは特に。登場人物への共感を許さないところなどは現代ミステリーだな、と。宮部みゆき作品自体、近年はひんやりとした空気が消え、人間同士の繋がりを描いた作品が増えたので、自然とそちら側に寄ったのかもしれません。

主人公の藤野涼子も優等生キャラで、頭がキレる上に刑事である父親の意見もすんなり理解してしまうから、面白味がないんですよね。

というわけで現段階ではしっくりこない部分もありますが、一度もダレることなく1,000ページのボリュームを読ませるパワーを持った作家はほとんどいないわけで、今後も飽きずに最後まで読めると確信しています。次巻ではいよいよ裁判準備。それぞれに問題を抱えた人々が裁判という目的のためにどのように結集していくのか楽しみにしています。

◆宮部みゆき作品のレビュー
「楽園 (上)」
「楽園 (下)」
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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