郵便配達は二度ベルを鳴らす / ジェームズ・M・ケイン

郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫)
(2014/08/28)
ジェームズ・M. ケイン

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新潮社の田口俊樹訳を読破。
同時期に光文社でも別訳が刊行されましたが、新潮社は490円(税抜)なのに対し、あちらは880円(税抜)。本の価格ってどうやって設定されているんでしょうか。

6度も邦訳されているベストセラーというだけあって、覚悟を決めて読んだんですけど、現代のミステリーのような装飾された部分はほとんどなく、拍子抜けした部分はあります。主人公が知人の妻と恋に落ち、邪魔になった夫を殺す計画を立てる…。動機も短絡的で推理小説としての楽しみ方はできず、恋愛小説としてもハードボイルド小説としても描かれ方が中途半端に感じてしまいました。

といった具合にジャンルで括ろうとすると物足りなさを覚えてしまうものの、ストーリー自体は割と楽しめました。
フランクは知性も理性も感じないとんでもないクズだけれどなぜか憎めず、コーラも悪女という風ではない普通の女。ごく平凡な男女が企てた犯罪計画なんてそう簡単に成功するわけがないし、実際に周囲にはすぐに怪しまれるのですが、運よく切り抜けると今度は保険金で夢を叶えようとする。これだけ浅はかで欲にまみれているのに、読み手は不思議とフランクに感情移入してしまいます。そして、フランクに感情移入してしまうせいで、何の罪もないコーラの夫、ニックがあたかも殺されて当然の男のように映る不思議。このあたりの描写の妙が本作最大の魅力なのかもしれません。

最後まで読んでもタイトルの意味は解りませんが、あとがきを読めばその謎も解け、本編の面白さも再認識できます。
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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