楽園 (下) / 宮部みゆき

楽園 下 (文春文庫)楽園 下 (文春文庫)
(2010/02/10)
宮部 みゆき

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さすがは宮部みゆき。上下巻合わせての700ページも最後まで読ませてくれます。オカルトのようでもその中でしっかり描かれた犯罪心理と心温まるヒューマンドラマ。多くの要素を取り入れながらとっ散らかることもなく、上手くまとめられていました。

しかし!
同時にどの要素も(宮部作品にしては)中途半端に感じたのも事実。上巻で期待が高まっていた断章の存在も大したことありませんでしたし、何より前半で重要な人物だった誠子が後半は完全に邪魔者扱いされてしまっていたのが淋しいです。被害者の妹であり加害者の娘という複雑な立場だったのだから、最も作品のスパイスになり得たキャラだったと思うんですが…。

その点が非常に気になり、ボリュームの割に食い足りなさが残ってしまった本作。
宮部みゆき作品に多くを求めなければそれなりに楽しめると思いますけど、やはり「理由」や「火車」を読んだことのある身として、さらに傑作「模倣犯」の続編的な立ち位置としてはこの程度で満足したくはありません。やはり宮部みゆきには今後も社会派ミステリーを書き続けてもらいたいところ。

唯一、ろくでなしがどこまでもろくでなしに描かれている辛辣さは、気持ちよさかったですね。ま、この辺ももっと深く描き込んでもらいたかったところですけど…。

◆関連作品のレビュー
「楽園 (上)」
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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