四十九日のレシピ / 伊吹有喜

四十九日のレシピ (ポプラ文庫)四十九日のレシピ (ポプラ文庫)
(2011/11/02)
伊吹 有喜

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最近、職場で20代の女の子と話をしていると、みんな自分磨きに一生懸命だなぁと感じます。目標ややりたいことがあるのは素晴らしいこと。
けど、そういう子に限って仕事を疎かにして周囲に迷惑ばかり掛けているし、本人も仕事中はつまらなそうにしているんですよね。もちろん自分だって仕事よりも趣味の時間の方が楽しいです。だからと言って週の大半をストレスばかり感じて過ごすのでは、今後何のために生きていくのかと余計なお世話ながら心配してしまうほど…。

そんなモヤモヤに一つの答えを出してくれたのがこの本でした。

妻の乙美を亡くしたことで気力を失ってしまった良平と、夫の不倫により実家に戻っている百合子。二人とも先が見えなくなり途方に暮れていたところに発見された乙美の日常のレシピ、そしてひょんなことから知り合った一昔前のギャル、井本(イモちゃん)や、日系ブラジル人のハルとともに、乙美の四十九日を迎えるまでの物語。

これを読んだ人の大半は良平か百合子に感情移入すると思うんですが、自分は乙美を中心に読んでしまいました。自分が死んだ後、身近な人に何を残すことができるんだろう…。
レシピのように形に残るものでなくても、血の繋がった子や孫じゃなくても、自分がいなくなった後に周りの人の中に何かが留まってほしい。まだ自分はそれだけの存在になっている感覚はないので、その自信がつくまでは誠実に生き続けなくては。ことばにするときれいごとのように感じられますし、作品自体も文章がキレイすぎる気がしましたけど、乙美が導いた穏やかな結末を見ながら温かい気持ちになれました。

良平と乙美の出会いの回想シーンも、二人の人柄が出ていて素敵ですね。
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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