プルーフ/証明

プルーフ

昨日のことになりますが、サンモールスタジオでダルカラことDULL-COLORED POP番外公演を観に行ってきました。2000年から世界各国で上演され続けているアメリカ現代劇らしく、2006年には映画化もされた作品。

とにかく非常に重々しい作品で、100席にも満たない小さな会場ということもあって前列だと緊張感も相当なもの。たった4人の登場人物がそれぞれの感情をぶつけ合い、その迫力に押し潰されてしまいそうでした。誰かに感情移入すると本当に滅入ってしまいそうだったので、必死に留まった結果、気持ちが4人の中心に向かってしまい、4方向から圧力を受けるハメに…。それだけ役者の演技が繊細かつパワフル、そして濃密な脚本でした。

百花亜希さんは、精神を病んだキャサリンのヒリヒリした感じを見事に表現していました。ほぼ全編出ずっぱりなので、ずっと面倒臭かったな~。もちろんこの役においてはこれは最上級の褒め言葉。この人の演技を見るためだけでも観る価値がありましたよ。

クレアを演じた遠野あすかさんは元宝塚という肩書きと映画版のイメージから、勝手に上品で、でもお高くとまった姉なんだろうなと予想していたら、相当俗っぽくて面白かったです。キャラ的にはかなり苦手なタイプで、キャサリンにやりすぎなくらい口出しする姿には正直ウンザリもしましたけど、自分も4人兄弟の一番上なので理解できなくもないと感じる場面も多々ありました。

二人の父ロバートは、映画版よりは出番少なめ。しかしながら自らの精神が蝕まれていくことを怖れながらも、抗えない辛さが伝わってきて堪らなかったです。後半の回想シーンで、彼が学生たちについて語る場面は胸が熱くなったな。

そして今年初の山本匠馬!
彼が演じたハルが、映画版と最も設定が異なる役柄だったんじゃないでしょうか。唯一家族ではない彼が作品の大きなアクセント。父娘や姉妹の仲が険悪になると決まってハルの陽気な声によって妨げられます。空気が読めないキャラだったけど、他の人物が作り上げるギリギリまで張りつめた空気を和らげる役割を果たしていました。まぁ、表情をコロコロ変えてのKYキャラは彼の得意とするところでしょう。見事な安定感でした。

一体誰のことばが真実なのか、結末は観る側に委ねられる作品ですけど、誰に感情移入するかで捉え方が大きく変わってきそうですね。

ところで、会場は初体験の客席との段差がないフラットなステージでした。最前列はともかく、2~3列目は他の観客の頭が邪魔になってしまいます(自分も被害者…)。それでも中央の通路までフルに使った移動は臨場感満点で、通路側の席だと役者がはけていく際に風を感じるほどで興奮しました。キャサリンの去り際は勢いがありすぎて、いつか本当に殴りかかってくるかと思った…。数十センチの距離で役者が演じてくれるとは、観劇をしていて最高の瞬間でしたね。
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テーマ : 演劇・劇団
ジャンル : 学問・文化・芸術

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No title

お会いしたかったです( ;∀;)
しょーまくんは映画観てないそうで、
完璧オリジナルでしたが
「ハルはいい人です!!」と信じていました(*´∀`*)

原作はハルの立場の人が書いたそうなので、
彼の中では主役は彼のようです(*^ω^*)
彼は優れた数学者は全てが数式に見えるらしいと言っていました(*゚▽゚*)
彼の目にはどんな世界が写っているのでしょうねヽ(´▽`)/

お久しぶりです!

今回の匠馬くんは露出もありキスシーンもありで、女性ファンは複雑な気分じゃないのかなと思いましたが、周囲の女性陣はみんなウットリしていたようで、作品と彼の魅力の方が勝ったみたいですね。

個人的には、ハルは純粋で誠実な分、残酷な男に映りました。
でも、だからこそ人間臭くて理解できるキャラクターになっていたような気がします。

それにしても30歳にしてあの安定感はさすがですね~。
そして(変な言い方ですが)相変わらず空気読めないキャラが似合いすぎ!
今回の作品は相当悩んだみたいですし、来月の舞台はその分もハジけてくれると早くも期待しています。
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いぬふく

  • Author:いぬふく
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