帰って来た桃尻娘 / 橋本治

帰って来た桃尻娘 (ポプラ文庫)帰って来た桃尻娘 (ポプラ文庫)
(2010/10/06)
橋本 治

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桃尻娘シリーズ第3弾。
桃尻娘こと榊原玲奈だけでなく、彼女を取り巻く同級生たちの視点から語られた前作から、再び彼女の一人称で語る形式に戻されています。

一浪した後に早稲田大学に入学したものの、期待外れの学生生活。
さらに、磯村くんと木川田くんがくっついていたことで初めて自分の恋心に気付いたり、浮世離れしていた醒井さんが自分の知らないうちに妊娠していたことで女として敗北感を味わったり、今回の彼女は全編鬱屈しています。
そのせいか、前作までのキレッキレで生意気な桃尻節は減退してしまいました。あの毒舌に腹を立てたこともあったけれど、なきゃないで淋しいものですね。

今回の玲奈ちゃん、失恋の傷を残したまま美男子の田中くんに惹かれて野草の会なるサークルに入ってしまい、彼と簡単に関係を持ってしまうし、かと思えば田中くんの友人である利倉くんと急接近するし(あとがきによると、後に彼と結婚するらしい…)、かなり迷走気味。高校時代に叶わなかった恋愛を大学できちんと成就させるつもりだったのかもしれませんが、実際は同じような道を辿ってしまっている…。そしてそのことを本人も何となく自覚している…。自立を意識した女性が増えている現代ではさほど違和感がありませんけど、80年代という時代設定を考えると玲奈ちゃんはかなり浮いた存在であったことは間違いないでしょうね。自覚しているからブリッ子を演じたりもしているけど、彼女には無理でしょう。

前作のような多面性がないので、主人公に感情移入できないと単調に映ると思います。個人的にも、脇を固める同級生たちのその後が気になっていただけに、物足りませんでした。まぁ、そこに物足りなさは続編の「無花果少年と瓜売小僧」に期待ですね。ポプラ文庫から復刊されなかったのが残念。
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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