朗読「東京」

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評論家の川本三郎の企画監修による朗読劇。
演出は「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」の瀬田なつき。
第2弾の初日は山崎樹範×中村中(あたる)の二人で林芙美子の「骨」が読まれました。

戦後の混乱の中、戦争で夫を亡くし一人娘を残され、リウマチの父と胸に病を持つ弟の世話をする道子。生きるために身体を売って金を稼ぐも最終的には弟を失い、斎場で彼の骨壺を抱えながら父親の死期をふと考える…。

重々しくて救いのない話なんですが、さすが劇団出身役者と女優兼アーティストということで、二人とも抑えの効いた声が心地よかったです。勤務直後ということもあるものの、その心地よさにそのまま眠りたくなるくらい。
ただ、予備知識なしで楽しむのもありだと考えていたんですけど、やはり原作を読んでおいた方が役者の演技も隅々まで楽しめたんじゃないかなぁという後悔も残りました。

中村中という人は、デビュー当時に戸籍上は男ということで話題になったり、ドラマでも性同一性障害役を演じたのイメージが付き纏って、どこか色眼鏡で見ていた部分があったように思います。しかし、生で見た彼女は非常に凛として美しい女性で、苦境の中でも逞しく生きる道子像を作り上げていました。
やましげは、女性の道子を表現するためにできるだけ自分を出さないようにしたそうで、「猫のしっぽ」でのナレーションのような柔らかさを封印していたのが効果的だったと思います。

朗読の後は川本氏進行でトーク。
本の内容についての話ももちろんありましたけど、盛り上がったのは都内出身の3人による東京トークですね。
電車好きと公言する川本氏は、鉄道の話題になると途端にヒートアップ。話が止まらなくなり、他の二人や客席を失笑させたりもしていましたが、そのおかげで劇中から続いていた場の緊張が一気に緩みました。やましげ&中村の地元で利用していた東武伊勢崎線は乗ったことがないんですけど、興味の湧くネタばかり。40年近く関東に住んでいながら知らない東京がたくさんあることに、改めて気付かされました。

自分は今年初生しげを見られただけでも満足ですが、朗読劇という新体験もできましたし、今年も観劇にハマりそうです。
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テーマ : 演劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

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