京大少年 / 菅広文

京大少年京大少年
(2009/11/25)
菅 広文

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お笑いコンビ、ロザンの菅広文が書く自伝的小説。
しかし、小説として読むとあっさりしすぎていて物足りないかもしれません。ロザンを知る人が、彼らの成長過程を知るためのエッセイとして読むのが正しいんじゃないでしょうか。

宇治原に悪気はないんでしょうが、周囲からは嫌なヤツと思われかねない言動が学生時代から多々見られます。第5章「『高性能勉強ロボ』ができるまで」や第7章「宇治原包囲網と卒業文集」などがその例。
ええかっこしいで、鉄オニ(こんな遊びがあるということを初めて知りました)で本当のオニに変貌するところや、高校で上から目線の卒業文集を書いてしまうところなど、多くの人が友だちにはしたくないタイプと感じるでしょう。
しかし、それでも宇治原に嫌悪感を持たせない文章は見事です。ちゃんと合い間に彼の失敗談を交ぜてバカにできるようになっているし、何より著者の宇治原への愛情が半端じゃないことがはっきり判ります。宇治原の賢さを際立たせるために、自らの失敗談を持ち出すことも厭わない…。こうしてお互いを落として持ち上げているうちに、読んでいる方は「二人ともいいヤツだな」という感想を持ってしまうんですよね。

芸人になり立ての頃にどんな仕事をしていたのかや、収入が徐々に安定していく様子など、新鮮な話題もありました。
こうやって見ると、デビュー当時から彼らはそれなりに稼げていたのかな。アルバイトに明け暮れたというようなエピソードもありませんし。あまりハングリーさを出さないというコンセプトで、あえて入れなかっただけかもしれませんけどね。
高学歴芸人としてある程度のキャリアを築いている彼ら。個人的には菅ちゃんにももっと関東進出してほしいところですけど、欲を感じさせない現状もまた彼ららしさかな。

文章は特に捻りもなく、中の中といったところですけど、芸人が変に作家を気取ったというような文章よりはずっと好感が持てるし、メインターゲットとなるであろう若年層を取り込むという意味では成功していると思います。学生にはもちろん、大人にも息抜きにはピッタリの1冊でした。

◆菅広文作品のレビュー
「京大芸人」
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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