Sony Ericsson Open (後半戦)

3回戦で敗退したキムは臀部を負傷しており、4週間ツアーを離れるとか…。故障中の選手にこんなことを言うのもどうかと思いますが、今季3大会で3度目の怪我というのはさすがに酷すぎじゃないでしょうか。避けられない怪我や病気もありとはいえ、無事之名馬ということばもあるように、最低限に抑えることもプロの務めだと個人的には思います。
まぁ、前半戦の記事でも書いたように彼女は元々クレーを重視していないように感じられますし、4週間ならマドリッドやローマには間に合いそうなので、さほどの影響はないでしょうね。

 <Quarterfinals>
Marion Bartoli (7) def. Victoria Azarenka (1) 6-3, 6-3
Maria Sharapova (2) def. Na Li (8) 6-3, 6-0
Caroline Wozniacki (4) def. Serena Williams (10) 6-4, 6-4
Agnieszka Radwanska (5) def. Venus Williams 6-4, 6-1

 <Semifinals>
Maria Sharapova (2) def. Caroline Wozniacki (4) 4-6, 6-2, 6-4
Agnieszka Radwanska (5) def. Marion Bartoli (7) 6-4, 6-2

 <Final>
Agnieszka Radwanska (5) def. Maria Sharapova (2) 7-5, 6-4


下剋上の準々決勝。バルトリが過去2勝8敗のアザレンカ相手に、シャラポワは最近4連敗中だった李娜に、ウォズニアッキは3戦全敗だったセリーナに、そしてラドワンスカは1勝5敗だったヴィーナスに、ストレート勝ちを収めました。

中でも、バルトリの勝利は驚かされましたね。
生涯GSの懸かったエナンをウィンブルドン準決勝で破ったり、久々にツアーに戻っていきなり優勝かと期待されたウィンブルドンのセリーナを倒したり、相変わらず空気の読めない女、バルトリ(褒め言葉です)。ハイライトでしか観ていませんけど、攻撃的なストロークはもちろん凌ぎのショットも深く返ってアザレンカに攻め切らせなかったようです。

アザレンカは4回戦でもシブルコワに1-6、0-4と追い込まれてからの逆転勝ちだったそうなので、調子はあまりよくなかったのかもしれません。フィジカルにも問題を抱えていた様子。敗戦直後は茫然自失といった風でしたけど、26連勝という記録がすごすぎただけで、決して落ち込む必要はないと思います。これを機にまたフレッシュな状態で挑めるか、または逆に勢いが止まってしまうのか、ここからが彼女の真価を問われる戦いになるのかもしれません。
彼女もキム同様、4週間の休養期間を取るとか。怪我の回復が最大の目的でしょうけど、精神的にリフレッシュさせたいという気持ちもあるような気がします。マルベージャの優勝ポイントを失っても大した問題はありませんし、賢明な判断と言っていいでしょうね。

W姉妹も準々決勝で敗退。2回戦ではクヴィトワを破ったヴィーナスですが、4回戦では体力的な問題なのか試合勘の問題なのか、全盛期のフットワークには程遠いように見えました。以前ならリーチの長さを活かして飛びついていたのを見逃す場面も多々ありましたし、表情からも明らかに疲労の色が見て取れ、見ている方が不安になるくらい。試合に出続ければある程度のレベルまでは戻してくるでしょうけど、GSで優勝を争えるところまでは行けるかなぁ…。

セリーナは姉ほどのブランクがないので高いレベルを維持しているものの、4回戦で20個のエースを炸裂させてストーサーを粉砕したことで気が抜けたのか、ウォズニアッキの前にミスを量産して敗退。
ウォズニアッキにとってこれは最近2年間で味わえなかった大きな勝利なんじゃないでしょうかね。まだ噛み合っていない部分もありますが、ダウン・ザ・ラインやネットプレーの頻度を少しずつ増やそうという意図は感じ取れます。試合が進むにつれて本来の守備的なプレーに戻ってしまうのは残念ですけどね。
ただ、準決勝は彼女にとって後味の悪い終わり方だったよう。シャラポワがマッチポイントで放ったセカンドサーブはフォールトとコールされるも主審がオーバーコール。この時点でチャレンジ権をすべて失っていたウォズニアッキは「重要なポイントなんだし、オーバーコールするんじゃなくてマリアにチャレンジさせるべきじゃないの?」と抗議します。結局それは認められず、やり直しとなったポイントをしっかりと奪ったシャラポワの勝利となったわけですが、腹の虫の収まらないウォズニアッキは主審との握手を拒否してコートを去りました。
でもウォズニアッキよ…、チャレンジ権がないのは君のせいなんだし、結局あれは主審のジャッジが正しかったんだから、あの態度は大人げないんじゃないのかい?

というわけでいろいろありましたが、決勝に進んだのはシャラポワとラドワンスカ。どちらも現在2番手の座を争うポジションだけに、納得の顔合わせとなりました。
4度目のファイナルで今度こそマイアミのタイトルを狙うシャラポワに勝たせてあげたいという気持ちもあったんですけど、決勝ではミスが早すぎた印象。これまではラドワンスカの2ndサービスを徹底的に攻め立てていた印象があったんですけど、今回はそれが機能せず、ロングラリーに持ち込まれるシーンが目立ちました。粘られると苦しいシャラポワ。全豪、インディアンウェルズ、マイアミの3大会で決勝進出という成績に文句はありませんが、クレーで昨年並の成績を残すためにはやはり守備力を強化してほしいところ。

それにしてもラドワンスカの安定感は素晴らしい! ビッグトーナメントで勝つのは難しいのでは…と見られていましたけど、トッププレイヤーが勢揃いしたマイアミでオールストレート勝ちできるんだから、GSタイトルだって視界の隅には入ってきたんじゃないですかね。アザレンカにしか負けないという年始からの記録をいまだ更新していますし。

さて、これでハードコートシーズンはひとまず終了。グリーンクレーのチャールストンを挟んで本格的にヨーロッパクレーに突入していきます。記事が長くなってしまいましたけども、全仏までの2ヶ月弱でどれくらいポイント(Pt)の変動があるか、トップ6に絞って簡単に計算してみました。"現在のPt"-"全仏までに失うPt"="全仏直前に残るPt"となります。カッコ内は昨季の主な戦績。

1. アザレンカ 8980-1206=7774 (マドリッド準優勝)
2. シャラポワ 7930-1040=6890 (ローマ優勝)
3. クヴィトワ 7095-1100=5995 (マドリッド優勝)
4. ラドワンスカ 6710-265=6445
5. ストーサー 5825-1020=4805 (ローマ準優勝)
6. ウォズニアッキ 5720-1795=3925 (チャールストン、ブリュッセル優勝)


もちろん出場大会数の多い選手はカウントしない大会もあるので多少の誤差は出てきますけど、大体こんな感じ。
トップ10にクレーのスペシャリストがいない現在の女子を象徴するかのように、昨年はみんなビッグトーナメント1大会で稼いだのみに止まりました。例外はラドワンスカで、全仏まではほとんど守るポイントがないんですよね。あまりクレーで強いイメージはありませんが、クヴィトワも調子が上がりませんし、シャラポワもクレーでは期待できない…。となれば一気に二人を抜き去るチャンスもあるわけで、今後はこの3人の2位争いが激化しそうです。
トップ10の中では最もクレーに適性のあるストーサーは、中途半端な成績で終わった昨季の鬱憤を晴らしたいところ。まぁ、彼女の場合はサーフェスとの相性よりもアザレンカやシャラポワの攻略法を考える方が先なのかもしれませんが。この二人が安定した成績を収めている限り、クレーでも上位進出は難しそうな気がします。
ウォズニアッキはクレーで強いイメージがないので意外でしたが、2大会の優勝にシュツットガルトの準優勝もあり、コンスタントに稼いでいたんですね。今季は自国開催のコペンハーゲンの時期がズレたためにチャールストンは出場しないため、獲得Ptの多いマドリッドやローマで決勝進出を果たしてもらいたいものです。

※追記:ダブルスで優勝し、ロシアナンバーワンペアとして存在感を示したキリレンコとペトロワ。表彰式でのウサ耳は大会のセンスなのかと思いきや、記事を読む限りどうやらキリレンコのアイデアみたいです。イースター(復活祭)の時期だからなのかもしれませんね。と言いつつ、自分はイースター=卵というイメージしか持っておらず、イースター・バニーという存在を今回初めて知りました。
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ここまで

ラドワンスカがやってくれるとは思ってませんでした。
おっしゃるとおり、安定感ありますよね。
最近は試合観てないのでスコアだけですけど。。。

うさ耳。。。キリレンコは似合いますねぇ。^^;

ウィリアムス姉妹の絶対的な強さも、そろそろ陰りがみえてきたのでしょうか。
相変わらずAmélieのネタを追ってますが、ほんとは試合が見たいです。
ダブルスでもいいんですけどねぇ。

トップ3目前!

以前のラドワンスカはハードヒッターと対戦するとパワー不足ばかり気になっていたものですが、最近は真っ向勝負とまではいかないものの、しっかり受け止めることができるようになってきました。
こういう選手が上位にいてくれるのは嬉しいですね。
W姉妹は今後調子を上げてくるでしょうけど、立派に対抗できるんじゃないでしょうか。

キリレンコはペトロワにあの格好をさせるなんて、なかなか意地悪ですね~。
エレッセのヒラヒラウェア以上の拷問…e-440

アメリーは最近フランス語ツイートが増えたせいで全部翻訳するのも面倒になってしまい、情報不足気味です。
デ杯メンバーの練習画像を流してましたけど、コーチをするんでしょうか。
そして今初めて2月のダブルスの映像を観たんですけど、エキジビションとはいえ随分まったりしてたんですねe-30
でも、アメリーはかなり楽しそう。
http://youtu.be/NYkWGtqlnMA

お久しぶりです

ラドバンスカ、確かに昨年末の怒涛の連勝がありましたが、ここまで守備から攻撃への転換がよくなっているとは思いませんでした。今季見た試合のほとんどがアザレンカに対する負け試合だったので、ドバイやマイアミのラドバンスカの進化には驚きです。まさにいま、ピークを迎えようとしているといった感じでしょうか。思わぬ展開ですが、面白くなってきました。

ストーサーはクレー期から調子が上がってくるかなぁ、とのんびり傍観していましたが、チャールストンでセリーナに一蹴されているところを見ても、ここまで苦手選手が多いと、確かに活躍は難しいかもしれません。が、それこそ本命不在のクレーですからねぇ、何が起こるかわかりません。

クライシュテルスは最初の引退前の状態をほうふつとさせる気持ちの入ってないっぷりだなぁ、と感じます。昨季の全豪制覇で思いを遂げた感があるんでしょうか。

モレスモ、チーム・アザレンカ入りですよ。意外な組み合わせにびっくりです。

クレーも混戦

どうも、お久しぶりです!

昨季のラドワンスカはヴェラやペトコを食い物にしてタイトルを取っていたイメージがあったんですが、今季はこれまで苦手としていた相手にも突破口を見出している感じがしますね。
おっしゃる通り、守備から攻撃への転換が素晴らしい!
と同時に、アザレンカのように守っても攻撃的というタイプと対戦するとまだ物足りなさを感じるので、まだまだ伸びるんじゃないかと期待しています。

ストーサーは昨年のクレー期も期待していたんですけどパッとせず、諦めた頃に全米制覇ですからねぇ。
ハマった時のプレーは見ていて楽しいんですが、最近凡戦ばかり見てしまったせいでなかなか信用できません…。

キムは五輪が最大の目標と言っているのでモチベーションが保たれていると思いたいですが、自分としてはこれだけ復帰しては離脱を繰り返しておいて金メダルを取られても、感動できない気がするんですよね。
マドリッド以降は今度こそ故障せずに駆け抜けてもらいたいところです。

そしてアメリー、本当に意外な組み合わせでした!
最初は全仏に向けての話題作り?と穿った見方をしてしまったほど。
まぁ、実際は完成形に近づきつつあるアザレンカの攻撃的テニスに、ネットプレーや立体的な組み立てをもっと加えてクレー仕様にする目的があるんでしょうけど、そうなれば自分好みのテニスになりそうなので少し期待しています。
プロフィール

いぬふく

  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
    詳しくはプロフィールページからどうぞ!
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