ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) / スティーグ・ラーソン

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 (下) (ハヤカワ・ミステリ文庫)
(2011/09/08)
スティーグ・ラーソン

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上巻に比べると普通のミステリーになってしまったかな。
中盤ではありがちな猟奇殺人ものとしてハリエット事件が解決し、ミカエルはもう一つの問題、裁判で彼を敗訴に追いやったヴェンネルストレムにリベンジするために動くんですが、自分は一つ目が解決した時点で若干冷めてしまった部分がありました。正直、途中までヴェンネルストレムのことは忘れていましたし…。
いろいろな要素を持った複合的な小説と言えば聞こえはいいですが、それぞれが交じり合うのではなく独立した二つの事件が1作品に収録されているだけに思えてしまったので新鮮味はないんですよね。

それでも、上巻のゆったりした北欧描写が嘘のように展開が加速していく下巻。上巻で感じていたヴァンゲル一族の名前の混同も少なくなり、かなり読みやすく中毒性が高まりました。失踪したハリエットがメモとして残した聖句から過去の殺人事件が浮かび上がってくるあたりはかなり好みの展開です。先が気になってやめられないというのはミステリーとして重要なポイントですし、満足度で言えば100点満点中85点くらいは迷いなく付けられます。スティーグ・ラーソンが処女作の出版を前に死去しているというのは残念な話ですが、いずれは第2部、第3部も読みたくなりました。

また、女性への暴力や経済犯罪などの描き方は、長く雑誌編集の仕事に携わってきた作者ならではのもので、何度も唸らされました。スウェーデンについては知識不足ですけど、やはり国内でこういった問題が浮上したことがあったんでしょうね。

登場人物は、副題の"ドラゴン・タトゥーの女"であるリスベットが個性豊かで魅力的に描かれていたのが印象的。ミステリーでここまで印象に残るの女性は珍しいんじゃないでしょうか。第2部以降も登場するようなので今後の活躍にも期待。
それに対し、ミカエルはただのプレイボーイにしか見えず、キャラクターの面でジャーナリストらしさが感じられませんでした。スウェーデンといえば昔はフリーセックスの国というイメージが強かったものですけど、来る者拒まずで数々の女性と関係を持つ彼のスタンスもお国柄といったところでしょうか。ラストシーンでのリスベットに対する同情もあって日本人女性には敵視されそうな男ですね…。
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テーマ : ミステリ
ジャンル : 小説・文学

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