BIUTIFUL 他

今回の2本、観賞日は1ヶ月以上違うんですが、どちらも霊能力が扱われているという共通点があったのでまとめてレビューすることにしました。どちらも人を選びそうな作品ですけど、個人的には「BIUTIFUL」の方が印象に残りました。

ヒア アフター ★★★★★★★☆☆☆
霊能力というのは自分にとっては到底信じ難い世界。亡くなった人の声を聞くことができたら…とは思いますが、その力が本物だと知る手立てがない以上、大半が死者への冒涜のように見えてしまうんですよね。しかし、本作は決してそういったオカルト部分にスポットを当てているわけではなく、至極真っ当なヒューマンドラマとして作られていて、すんなりと入り込むことができました。
ただ、登場人物が饒舌になりすぎず、「ヒア アフター」というタイトルを使いながら死後の世界や来世についてはっきりと言及しなかったのは正解だったと思うものの、そのせいで全体的にモヤッとした作品になってしまったのは残念。それなりに楽しむことはできたけど、観てよかったという感覚にはなれなかったんですよね…。質の高い作品を撮り続ける監督だから今回はクリント・イーストウッドの死生観というのを強く主張したものになっているんじゃないか、という意識がこちらにあったせいで気負いすぎた部分もあると思いますが、実際のところは彼自身も死というものが何なのか、悩んでいる過程なのかなという風に感じました。
作品の核心に触れる部分ではないものの、津波のシーンはリアルに撮れている分やはり衝撃的で、震災直後に打ち切りになったことも納得してしまいます。

◆主なクリント・イーストウッド監督作品の評価
「グラン・トリノ」 ★★★★★★★★☆☆
「チェンジリング」 ★★★★★★★★★☆

BIUTIFUL ビューティフル ★★★★★★★★☆☆
死を宣告されてからどう生きるかを描いた作品と聞いて真っ先に思い出したのは「死ぬまでにしたい10のこと」ですが、ドライな作風だったあちらと比べるとこちらは主人公の境遇が酷すぎ。躁鬱病の気がある妻に子どもたちの世話は任せられないし、子どもたちに少しでも多くの金を遺そうとしてもなることなすことすべて裏目に…。
タイトルの"BIUTIFUL"というのは、主人公が娘に教えた間違った"BEAUTIFUL"の綴り。主人公のしたことは正しくないかもしれないけど、正しい信念や誠実さの下に行われたことであればそれはやはり"美しい"。救いのない話のようでいて、観た後に不思議と希望を感じるという点では「ダンサー・イン・ザ・ダーク」に通ずるものがあると思いました。観賞後の余韻が半端じゃないです。
スペイン映画にもかかわらず、成仏や三途の川といった日本人の死生観とも共通している点も多々あるように感じたので、多くの人が違和感なく観ることができそう。ハッピーエンド好きの人にはオススメできませんが、かなりの良作です。数年後に、特に自分が親という立場になった時にもう一度観賞したい作品。

◆アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督作品の評価
「BABEL」 ★★★★★★★★☆☆

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ハビエル・バルデム、マリセル・アルバレス 他

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