ワールドカップバレー2011を振り返って

ということで、全日本女子は8勝3敗の4位で全日程を終了。本大会で日本がトップ4に入ったのは1989年以来のことだとか。残念ながらメダルとこの時点でのオリンピック出場権獲得には一歩及びませんでしたが、これに失望しているバレーファンはどれほどいるでしょうか。山本、井上というミドルブロッカー(MB)の主力を欠き、ワールドグランプリ(WG)やアジア選手権ではグダグダなバレーをしていたチームが尻上がりに調子を上げ、最高のまとまりを見せました。下手をすれば負け越しも考えられた中、ブラジルやアメリカにストレート勝ちしたのは快挙と言っていいでしょう。
ただ、ブラジル監督が不満を言っていた今大会の勝ち点制度、最終的には日本が割を食った形となってしまいましたね。勝利数→セット率という順位付けなら中国を上回る3位だったのに…。ま、得点率優先なら結局4位なんですけど。

全体を通して見れば、やはり岩坂、新鍋のブレイクというのは大きかったですね。
特に岩坂は、井上と山本の故障離脱でスカスカになった今、サービスとブロックに非常に助けられました。MBとしてはまだまだクイックの種類が少ないので今後の課題になるでしょうが、あのサービスがある以上、眞鍋監督も簡単には外せなくなるでしょう。山本は欠かせないとしても、井上の戻ってくる場所はあるのか?
新鍋の方は出来不出来の差が大きく、レギュラー定着とはならず。攻撃力の不足は以前から指摘されていましたけど、サーブレシーブの成功率も期待値を超えてきませんでした。とはいえ、WG以上にトッププレイヤーと戦う機会が得られたわけですから、この経験を糧にまだまだ伸びてくれるんじゃないでしょうか。ミニ木村で終わらないでほしいです。
ま、個人的にはあれだけ21歳コンビと騒いでいたのに、同じ21歳(しかも同じ久光)の座安ももっと取り上げてやれよ!と心の中で叫んでしまいましたが…。

そんな若手の成長もあったものの、やはり木村沙織を語らないわけにはいかないでしょう。
低く早いトスの影響で今年は調子を落としていた彼女。大会が近づくにつれ復調してきたと監督が語っていたとおり、素晴らしいバレーを見せてくれました。特に、竹下のトスがゆっくりになってきたドイツ戦、アメリカ戦は最高でしたね。素晴らしかったのはスパイクだけじゃありません。
ベストスコアラー部門第4位
ベストスパイカー部門第5位
ベストブロッカー部門第12位
ベストディガー部門第10位
ベストサーバー部門第11位
ベストレシーバー部門第3位

このランキングが表しているように、木村はもはやどのプレーにおいても世界の最高レベルに位置しています。サーブレシーブ返球率も相変わらず相当数受けながら他チームのリベロを押し退けて第3位。それで攻撃の制度が落ちないんだからすごい。こりゃ、眞鍋監督が全面的に頼ってしまうのも頷けるよなぁ。
逆に言えば、木村が不調の時、完璧に研究された時にどう対処するかがチームとしての今後の課題。今大会のイタリア戦のような内容は避けたいですからね。

対角の江畑が安定していたのも木村の負担を和らげた一因。今年は理由も判らないまま迫田にその座を譲ることが多かったんですが、それを忘れるくらいの大活躍。おかげで同じ攻撃的ウィングスパイカーである迫田と石田の出番がほとんどありませんでした。
石田はオポジット(OP)での出番もあったものの、スパイク決定率とサーブレシーブ成功率はチーム最低。バランスのいい選手と言えば聞こえはいいですが、何が武器なのか自分はいまだに解りません。
迫田は大会通じて57.7%というスパイク決定率を残していますけど、アフリカ勢との対戦がメインだったので参考にはならないでしょう。チーム一のバックアタックを活かすためにも前衛での決定力を! そして所属チームの東レアローズでは今季からレセプション(サーブレシーブ)にも入るとか…。迫田がせめて山口クラスの守備力を身に付ければ、彼女か木村がOPに入って江畑との超攻撃的サイドというのももしかしたら実現するかも。

そして、現在の全日本の最大の課題とも言えるOP。
現在は新鍋と山口を軸に、狩野がサブとなってがんばっていますが、故障続きの狩野は全力でスパイクが打てない状態。守備での貢献度も山口程度。となれば機動力の山口と守備力の新鍋を対戦相手や調子によって使い分ける形がしばらく続くでしょうか。
個人的お気に入りの山口はブラジル戦でサービスの集中砲火を浴びて試合後に涙。ドイツ戦でも修正できずに苦しみましたが、続くアメリカ戦では見違えたように好プレーを連発。サーブレシーブの安定の他、スパイクがクロスに集中してしまうこと、正面でレシーブされると簡単に上げられてしまうコースの甘さ(パワーのなさ?)など課題は山積みなんですけど、やっぱりその危うさも含めて魅力なんですよね~。繋ぎは結構イケると思うし、自らがコンビにどんどん絡めるように、まずはサーブレシーブからがんばってもらいましょう。

さてさて、休む間もなく来月からはVリーグが始まり、来年5月にはオリンピックの最終予選が行われます。アジア枠で最大のライバルになると思われた中国が抜けてくれたわけだし、メダルを狙うのなら予選を1位で通過するくらいの圧倒的な強さを見せてもらいたいところですが、ヨーロッパ勢が怖いですね。今大会もイタリアとセルビアに力負けし、相性の良かったドイツともフルセットの激戦になっています。セルビア、ロシア、ドイツのうち、2チームはヨーロッパ枠を取れず最終予選に廻ってくることになるでしょうし、トルコ、ポーランドあたりにも可能性があります。万が一、韓国かタイに敗れるようだと一気に苦しくなるので、怪我だけには気を付けて備えてもらいたいものですね。

それにしても、夏のWGであれだけ酷い状況だったイタリアと中国がトップ3に入ってくるとは驚きでしたね。それだけ上位陣の力に差がないことが証明されたわけだし、日本も調整次第では本当にメダルの希望が持てるんじゃないかな。
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