ブラック・スワン

ブラックスワン

ナタリー・ポートマンがアカデミー賞主演女優賞を取ったことで注目度が増した作品。
「レオン」も「スター・ウォーズ」も観ていない自分にとって、ナタリー・ポートマンは無色透明なイメージなので、白鳥と黒鳥どちらを演じていても違和感がありませんでした。まぁ、黒い面は「ブーリン家の姉妹」で見てはいますが。

バレエという女ばかりの競争社会なので、あのTVドラマ「牡丹と薔薇」のようなドロドロした人間関係を描いた作品かと思いきや、これはサイコ・スリラーですね~。

物語としては、ニナ(ナタリー・ポートマン)が狂気に侵される様子がもっと人間関係を通して描かれていたらよかったのに。彼女が序盤から精神的に追い込まれていっているのは明らかでしたし、少しずつ蓄積されていったものが一気に爆発するというのはものすごくリアルだとは思うんですけど、表現の仕方がホラーなので、映画としてはその"少しずつ蓄積"の間がものすごく単調でした。

そう、本作は中盤まではスリラーというよりB級ホラーっぽいんです。よくある「振り返ったら…」とか「鏡に映る姿が…」というものばかりで、延々と恐怖感を煽る演出に辟易したのも事実。怖さ重視というより笑えるくらいの演出で、それはそれで面白いんですが、驚かせ方がワンパターンなんですよね。
どうしてニナがあれほどリリー(ミラ・クニス)を怖れていたのかというのがいまいち伝わってこなかったのも残念。黒さを持っていたリリーに主役の座を奪われるのを怖れていたのかもしれませんけど、自分にはリリーに黒さをそれほど感じられませんでした。攻撃的な黒さという点ではベス(ウィノナ・ライダー)がいたので、リリーにはもっと官能的で無自覚な黒さを見せてもらいたかったな。劇中での彼女には奔放なイメージしか持てなかったんですよね。最後に「何だ、結局ニナの独りよがりじゃん…」と感じてしまうのはつまらないです。

しかし、そんな不満をすべて吹き飛ばしてくれるようなラスト(楽屋~舞台)のナタリー・ポートマン。興奮で鳥肌が収まらず、ずっと心の中で拍手を送り続けていました。このシーンだけを見にもう一度映画館に行きたいくらいです。
サイコ・スリラー、ホラー、バレエドラマ…。どこに重点を置くかで評価は大きく変わってきそうですが、自分は大満足でした。

もう一つ、自分が面白いなと思ったのはウィノナ・ライダーのキャスティング。元花形バレリーナでありながら、年齢などの問題から引退を余儀なくされて精神崩壊していく役というのは、まさしく清純派女優から転落人生を歩んだウィノナそのもの。「シザーハンズ」のイメージが残っている人が見たら衝撃を受けること間違いなしの強烈な役柄は、本作で新たなステージに上がったナタリー・ポートマンとは対照的でとても興味深かったです。

★★★★★★★★★☆
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テーマ : アカデミー賞を受賞した映画
ジャンル : 映画

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