悪人 他

悪人 ★★★★★★★☆☆☆
国内の賞レースを「告白」と争った本作ですが、原作とは全く違うアプローチを見せた「告白」とは対照的に、こちらはどこまでも忠実。でも、そうなると多くの登場人物の心情を描いていた原作の方が面白いな。特に、原作で好きだった佳乃の友人のエピソードが大きく削られているのが残念です。
しかし、映画ならではの新要素はなくても、主要キャストの演技だけで一気に世界に入り込めるだけのパワーはありました。樹木希林のハマりっぷりに鳥肌! 満島ひかりも出演時間は短いのに、主役に負けないくらいの存在感でした。妻夫木聡は確かにこれまでの平凡で純粋なイメージを脱することに成功していますが、自分はまだ以前の好青年の方がしっくりくるかな。「ヴィヨンの妻」が良かっただけに…。
冷静に観ていると、祐一(妻夫木聡)と光代(深津絵里)の行動にイライラさせられっぱなしなんですが、二人の中に"暗さ"ではなく、"弱さ"を見出すことができるとだいぶ理解できるようになってきます。しかし、この話が悲しいけれど美しく描かれているのには嫌悪感を持ってしまうな。自分の中では、殺人を犯した祐一よりも、自首を止めた光代に対する怒りの方が強く残っているのです。

◆原作のレビュー
上巻 http://inuhuku24.blog3.fc2.com/blog-entry-1721.html
下巻 http://inuhuku24.blog3.fc2.com/blog-entry-1731.html

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(2011/03/18)
妻夫木聡、深津絵里 他

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パレード ★★★★★★★☆☆☆
こちらも原作に忠実。キャストを知った時は若干の違和感を抱いたものの、それも観ているうちに取り払われました。空気感まで再現されていたのには驚きましたが、淡々としたところまで同じなので、映像としては物足りないです。それと、BGMが邪魔になっているシーンが多々ありました。
良介を演じた小出恵介は等身大の若者を演じさせたら絶品ですね。「キサラギ」や「のだめカンタービレ」ではコメディへの対応力があることも証明していますが、そろそろ狂気を秘めた役なんかも見たいところ。直輝役でもよかったかもしれません。琴美は原作は平山あやあたりのイメージで読んでいましたけど、貫地谷しほりが意外とハマっていました。
原作で気に入っていたのも良介と琴美のエピソードだったわけですが、映画化されても同じ部分が一番面白かったです。この二人の会話は本当に自然で楽しそうだし、仲はいいけど心は開いていないという彼らの距離感が上手く描かれていました。反対に、後半はテーマを押し出そうと無理矢理な展開になっているように思えます。未来が抱える心の闇もねじ込んだような感じでしたし。
原作が好きな人なら満足度は高いでしょうけど、自分はやっぱり原作と同じ不満を残したなぁ…。ラストが気持ち悪すぎ。

◆原作のレビュー
http://inuhuku24.blog3.fc2.com/blog-entry-1542.html
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