神田川デイズ / 豊島ミホ

神田川デイズ (角川文庫)神田川デイズ (角川文庫)
(2010/11/25)
豊島ミホ

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以前、TVで紹介されていたのを見た時に気になっていた(のにその後忘れていた)1冊。図書館にあったのでようやく読みました。
短編集のようですけど、舞台が同じ大学で、一部の登場人物は複数の話に絡んできます。まぁ、最近の小説ではありがちな手法ではあるんですが、読む側としては一人の人間のいろいろな面を垣間見ることができて得した気分になるのでアリでしょう。
全体的にメランコリックな雰囲気が漂ってはいますが、読みやすさの方が勝ってスイスイと読み進めることができます。

しかし、最初の「見ろ、空は白む」はダメ。あまりに鬱屈していて安直な主人公にイライラして投げ出しそうになりましたよ…。
エンジンがかかってきたのは3章目。星占いを勉強しながら女の子との出会いを求める準が主人公の「雨にとびこめ」は、最も感情移入しやすい主人公だったこともあって楽しく読むことができました。その友人たちもどこにでもいそうなキャラクターばかりだったので、彼らの会話を読み進めるだけでもキャンパスの雰囲気まで蘇ってきましたね。

自分の前に無限の可能性が広がっているようで、でも冷静に考えると何もできないような気がするし、そもそもどうやって踏み出せばいいのか分からない…。そんな年頃の学生たちのモヤモヤした心情が本当に巧く表現できています。

「過去に戻って自分の人生をやり直せるとしたら、どの時代に戻るか」とはよくある質問ですが、僕は迷わず大学時代と答えます。今の趣味であるテニスと洋楽鑑賞はそこから始まったものですし、生涯の親友もでき、本当に充実していました。が、同時に勉強もバイトも人間関係も、まだまだ足りない部分があった…。30歳を過ぎたあたりから急激にそう思えてきてしまったんですよね。同じことを当時から感じていたら、自分も彼らと同じような悶々とした日々を送っていたんだろうな。そう考えると、途端にリアルな世界に感じられました。
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テーマ : 読書感想文
ジャンル : 小説・文学

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