It's Not Me, It's You / Lily Allen

イッツ・ノット・ミー、イッツ・ユーイッツ・ノット・ミー、イッツ・ユー
(2009/02/04)
リリー・アレン

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2006年に衝撃作を引っさげてデビューしたLily Allen(リリー・アレン)。2年半というインターバルはポップ・アーティストの2ndアルバムとしてはかなり空いた方だと思いますが、その間は他アーティストとのバトル、妊娠&流産などを交えながら着実に音楽活動をしていたので、ご無沙汰感はそれほどありません。

音の面では、前作のように全曲シングル化可能なほどではなくなったものの、Lilyらしいキャッチーさは顕在。エレクトロ・ポップを中心にしたサウンドになっており、統一感では前作を完全に上回っています。僕自身は前作の突き抜けた感じが好きだったので物足りない部分もありますが、デビュー作が予想以上にヒットとてしまったためにその後迷走する若手アーティストが多い中、これは正統進化であり申し分ないクオリティを保っていると言えるんじゃないでしょうか。

音は好みが分かれるとしても、詞は確実にパワーアップしています。
この3年でセレブリティとしても見られるようになり、すっかりゴシップ紙の常連になったせいか、苦悩や不満も多岐に渡っていますが、それと同時に個人的な感情だけでなく社会的な問題にまで視野を広げたことで魅力が倍増。ドラッグ問題を取り上げたオープニング曲「①Everyone's At It」やあの国の前大統領に向けて直接的に攻撃しまくる「⑧Fuck You」はもちろん、「④22」では明らかにアラサーに喧嘩を売っているようで、実は自分や世間の若い子が抱える年を取る恐怖を描いているようにも感じられて興味深いです。

今作のベストトラックは「③Not Fair」ですね。他が完璧なのにベッドの中ではまるで役立たずという男に対し「フェアじゃない!」と訴えるこの曲、男にとってはキツーい内容ですが、攻撃というより女の子の嘆きといった感じなので他人事と思えばこれ以上ないくらい痛快な1曲となっています。
詞だけじゃなく曲の方も荒野を駆け抜けるような疾走感があってかっこいい!

また彼女のヴォーカルの魅力も忘れてはいけませんね。「ファッキュヴェリヴェリマ~~ッチ♪」とこんなにもメルヘンチックに歌えるアーティストは世界広しといえどLilyくらいでしょ。これほど知名度が高いにもかかわらずフォロアーがなかなか誕生しないということは、彼女のような世界観を作り出せるアーティストがなかなかいないということも関係していると思います。
1stのように一聴して衝撃を受けるタイプではなく、じわじわと魅力が滲み出てくる本作は、ぜひ日本盤を買って歌詞カードを片手に満喫してもらいたい1枚です。

★★★★★★★★☆☆
(前作の評価:「Alright, Still」 ★★★★★★★★★☆)

絵文字名を入力してください「②The Fear」(UK1位)

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テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

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ADVISORY

ファックユーってそんな曲なんですか…
あの国の前大統領の嫌われっぷりというのはホントに半端ないなあ~、世界中に嫌われて。それに比べたら日本の現職総理なんてまだまだ三下奴だなとおもいました。

リリーアレンっていうのは歌詞が面白い人だったんですね!今まではラリッた歌い方するひとだなあという印象しかなかったんですが、記事を読んで印象が変わりました、面白いですねリリー☆

Re: ADVISORY

Lily Allenは滅茶苦茶に見えて実は地に足がついた人だと思うんだよね。
だからこれだけポップでダークでバランスのいいアルバムを作れるんでしょう!
ルックスもいいし、あと10年はこの路線で突っ走っていってもらいたいところ。
ただ、なぜv-497大統領がチェンジした今になってあんな内容の曲を出そうと思ったのかは謎だな。
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