ルーム ROOM 他

ルーム ROOM ★★★★★★★★☆☆
オールド・ニックに7年間監禁されている母子。5歳の息子は納屋で生まれ、外の世界を知りません。ついに我慢の限界に達した母親のジョイは脱出計画を実行し、見事それを成功させるんですが…。
監禁生活から逃れることができて「めでたしめでたし」ではないのが本作の特徴。後半の、好奇の目に晒される母親の苦悩や、未知の世界に戸惑う息子の感情描写が素晴らしく、それをセリフではなく人物の微妙な視線の行方や景色などで表しているのに感心してしまいました。特に、息子のジャックがトラックの荷台から見上げた広い空は、まるで自分まで初めて見る光景に思えて気分が高まりました。
ブリー・ラーソンはもちろん、子役のジェイコブ・トレンブレイの演技も満点でしたし、世界が広がることが幸せに直結するわけではない、でも成長するには世界を広げなくてはいけない時もあるというメッセージには深く考えさせられたりも…。
しかし、よく出来た映画=面白い映画とはいかないわけで、クオリティの高さの割に後に残るものが少ないのが残念でした。個人的には同じレニー・アブラハムソン監督の「FRANK」の方が粗削りだけど好み。

◆レニー・アブラハムソン監督作品の評価
「FRANK」 ★★★★★★★★☆☆



お嬢さん ★★★★★★★★☆☆
韓国人監督としては一番好きなパク・チャヌクの最新作ということで劇場公開時から楽しみにしていた作品なんですが、いやぁ、相変わらずの変態性で安心しました。この人はエログロと言っても割とグロ寄りのイメージが強かったんですけど、前作の「イノセント・ガーデン」が官能的な雰囲気を持った作品で、今作はそれに輪をかけてエロティックになっています。
ただ、単にエロを目的としたものではなく、お嬢さんと詐欺師の男、侍女の騙し合いといったサスペンス要素、さらに官能小説を日本語で読ませる奇妙さなど、緩急をつけた構成が本当に見事。これ、3部構成なんですけど、全貌が見えてくる2部から俄然面白くなってきます。ビジュアル面でも見所が盛り沢山。僕はレズビアンのセックスシーンってどちらかと言うと苦手だったんですが、お嬢さんと侍女のそれは本当にキレイでした。貝合わせ中の二人の絶頂の表情も演技とは思えないほどリアルでしたしね。
逆に、最も残念だったのは、登場人物たち(特に男優陣)の日本語が聞き取りづらかったこと。この作品は韓国人の俳優が至るところで日本語を話していて、それが魅力となっているんですけど、片言なので難しいんですよ。何度もDVDで巻き戻してしまったせいで没入感を削がれてしまった部分もありました。せっかく日本人だからこそ楽しめる名言(迷言)もあるだけに、韓国語セリフにしか字幕がないのは残念だなぁ。

◆パク・チャヌク監督作品の評価
「JSA」 ★★★★★★★★★☆
「イノセント・ガーデン」 ★★★★★★★★☆☆

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X-MEN:アポカリプス 他

チョコレートドーナツ ★★★★★★★☆☆☆
薬物依存症の母親にネグレクトを受けているダウン症の少年マルコと、彼を引き取って育てる決意をした一組のゲイカップルの話。
時代背景があまり見えなかったんですが、同性愛に対する偏見が今よりもずっと強かった70年代の話だそうで、周囲の反感や好奇の目に晒されながらもマルコを守ろうという二人をいつの間にか応援してしまいますね。ダウン症の彼に対する二人の愛は本物だと思います。しかし、裁判の場であまりに感情的になりすぎてしまうアランを見ていると、観ている側がかえって冷静になってしまう側面もあり、自分はさほどのめり込めませんでした。
マルコの母親や検察官が悪人として描かれすぎているのも、全体的に薄っぺらい感じがしてしまう要因じゃないでしょうか。人間関係を明確にして誰もが感動できる作品にするにはベストな方法だったのかもしれませんけど、ダウン症の息子を持った母親の葛藤などが見えれば深みももっと増したはずです。

X-MEN:アポカリプス ★★★★★★★☆☆☆
「ファースト・ジェネレーション」から続くX-MEN結成にまつわるシリーズの3作目。
ストーリーははっきり言って貧弱です。それを時系列をバラバラにすることで複雑に見せていますが、それが原作を知らない人間にはとっつきを悪くしている部分。ただ、キャラクターについては非常にしっかり描かれていて、そこにスポットを当てると面白さが格段に増しますね。
中でも、「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」で悲しい扱いだったクイックシルバーに大きな活躍の場が用意されていることに歓喜するファンは多そう。爆発する建物からの救出シーンは「キングスマン」のアクションシーンを彷彿とさせる馬鹿カッコよさでした。
仮面好きとしてはサイクロップスの扱いが大きかったのも嬉しかったな。目からビームという扱いづらい能力のせいで活躍の場が限定されがちなキャラでしたけど、本作ではちゃんと魅力的に映りました。マグニートーもマイケル・ファスベンダーの演技も手伝って人間味のあるキャラになっていましたし、前2作には及ばないもののトータルで満足度の高い映画に仕上がっています。ただ、数ヶ月前にセールで前2作のブルーレイを買っていたので、どうせなら再観賞してから観ればよかった…。

◆前作の評価
「X-MEN:フューチャー&パスト」 ★★★★★★★★☆☆


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ズートピア 他

ズートピア ★★★★★★★★☆☆
アメリカに存在する人種差別や性差別を、重いドラマではなく子どもでも楽しめるエンターテインメントに消化した、学校の教科書にしたくなるような映画でした。差別というものに無頓着な小さな子どもでも「自分と違う個性を持った相手を尊重する」というメッセージは受け取れるでしょうし、単純に映像美やジュディの躍動感だけでもワクワクできる要素を持っています。大筋は王道といえば王道なんですが、ジュディとニックの仲直りのシーンなどは、ジーンときてしまったり…。
ただ、あまりにもちゃんと出来すぎているところが、かえってインパクトに欠ける面にも繋がっているんですよね。万人に薦められる良作ですけど、数年後に記憶に残っているような作品かというと微妙なところ。



スーサイド・スクワッド ★★★★★★☆☆☆☆
至るところで酷評されてハードルが下がり切っていたためか、予想していたよりは楽しめました。
ハーレイ・クインのための映画として見れば80点の満足度。彼女のアクションは普通ですけど、クレイジーなキャラクターが最高に魅力的で、ジョーカーを慕う姿は滅茶苦茶可愛かったです。半面、他のメンバーは個性に欠け、バットマンシリーズの陰の主役というイメージのあったジョーカーがすっかり存在感を失ってしまって魅力ゼロ。結果、悪党たちよりも、彼らを集めたウォラーが一番怖いというのは皮肉な話ですね。
それと、アクションシーンがつまらないのもなぁ。マーベル系に比べると各キャラの特殊能力が地味で、敵のエンチャントレスとの力の差もありすぎるため、最後までゴリ押し感が払拭できませんでした。
いろいろ言いながらも個人的にはアベンジャーズの2作目よりは楽しめたんですけど、やはりこのクオリティではよほど魅力的なキャスティングがされない限り、次回作はスルーしてしまいそうです。

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シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ 他

4月末からHuluでマーベル作品の期間限定配信がされていたので、再加入して「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン(以下、ウルトロン)」などに続いてGWにまとめ見しました。

キャプテン・アメリカ ザ・ファースト・アベンジャー ★★★★★★☆☆☆☆
チームの大半が一般の兵士というのは、主役の圧倒的な強さで引っ張りがちなマーベル系としては新鮮ですね。半面、キャプテン・アメリカについてはヒーローとして正統派すぎて魅力がいまいち伝わってきません。シールドを使ったアクションも最初こそ面白かったものの、派手さに欠けてすぐ慣れてしまいますし、被験前のひ弱なクリス・エヴァンスというのも、他作品の彼を知っている身としては違和感がありすぎて入り込めず。
そんなわけで突出して面白いとは言えませんでしたが、全体的には及第点超えの出来ではあります。あくまでシリーズの導入ということなので大人しめの作りで、次回作が気になるような終わり方だったので、機会があればそちらも観てみようと思いました。
ヒロインのペギーが抜群に魅力的でしたしね。

シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ ★★★★★★★★☆☆
単純にキャプテン・アメリカとアイアンマンが戦う映画かと思いきや、「ウルトロン」以上にアベンジャーズらしさが出たヒーロー大集結のアクション映画でした。オールスター感満載で、導入から一気にテンションマックスに…。「ウルトロン」で不満だったヒーローたちの格差も一気に縮まり、それぞれに見せ場が用意されています。
対立するアイアンマンとキャプテン・アメリカはどちらの言い分もできるように作られているし、どうせ最後は仲直りするんでしょ?という予想を裏切ってラストで二人が本気で殺し合うシーンに不謹慎にも興奮してしまいました。
新しいスパイダーマンもお披露目されているし、ダニエル・ブリュールに、少しですがマーティン・フリーマンまでも出演していたのも個人的な評価ポイント。
唯一残念だったのは、やはり予備知識が必要なこと。「キャプテン・アメリカ」は1作目を観たのでよしと思っていたんですけど、2作目の「ウィンター・ソルジャー」も観ておくべきだったな。バッキーの登場で完全にキョトンとしてしまいましたよ。

◆関連作の評価
「アイアンマン3」 ★★★★★★★★☆☆
「アベンジャーズ エイジ・オブ・ウルトロン」 ★★★★★★☆☆☆☆

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奇跡の海 他

グリーン・インフェルノ ★★★★★★☆☆☆☆
意識高い系の大学生たちが取材に向かう小型機が墜落、その墜落先は食人族の住む地だったというホラー…、というよりスプラッター。設定から色物かと思っていたんですが、意外と真っ当でしっかりとした作りでした。
本作の肝はやはり残虐描写。小型機墜落シーンでは木の枝が人間を貫通するわ、プロペラで吹き飛ばされるわで、掴みはバッチリ。さらに大学生たちが食人族に捕まり、一人目が食われるシーンは目をくり抜かれ、手足をもぎられるグロさに加え、塩をすり込んだり燻製にするなど必要以上な拘りを見せてくれます。悪趣味全開ですけど、食人族と聞いて興味を持った人の期待に応える内容でしょうね。
ただ、個人的には真っ当な作りだった分、この映像に慣れてからは退屈に映ってしまいました。グロいけど、怖くはありませんし。それと、続編ありきの中途半端な終わり方も嫌でした。アレハンドロには本気で死んでほしかったな~。

奇跡の海 ★★★★★★★★☆☆
ラース・フォン・トリアーの長編デビュー作。
主人公のベスは結婚したばかりだが、夫であるヤンが仕事中の事故で半身不随になってしまう。悲嘆に暮れるベスのためにヤンが要求したことは、他の男と寝てその話を自分に聞かせること。ベスは葛藤しながらも夫への愛を証明するために行動に移すことにするが…。
純粋すぎるがゆえに常軌を逸した行動に出て、悪循環に陥るのは同監督の「ダンサー・イン・ザ・ダーク」と同じで、ラストの感情移入度は満点近く。移民&盲目寸前だったセルマに比べると、こちらの主人公であるベスは同情の余地がない部分もありますし、歌の要素が入っていた分、あちらの方が感情がダイレクトに伝わってはきましたが、こちらもなかなかメンタルを抉られます。
悪い目的のために正しいと言われる行いをするくらいなら、間違っていても正しい目的のための行いをしたいという思いは僕も持っていて、それゆえに絶望的な気分にもさせられましたけど、観賞後には再び前向きにもなれました。

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いぬふく

  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
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