ドリーム 他

マザー! ★★★★★★☆☆☆☆
厚かましい訪問客と、それをすんなり迎え入れてしまう夫に翻弄される女性(ジェニファー・ローレンス)が主人公。全編通して主人公の視点で撮られていることと、周囲の人間のあまりに非常識な行動で、観ている側は終始不快な気分にさせられます。
そして最後まで観ても意味不明。観賞後に調べてみるとどうやら大量のメタファーが盛り込まれてあって、聖書の知識がないとただの不条理映画で終わってしまいそうですね。逆に、テーマを知った上で観返すと腑に落ちる部分もあって一気に面白さが増してきます。ただ、やはり種明かしされないと理解できないというのは映画としては成立していないと思いますけど…。
監督は「ブラック・スワン」のダーレン・アロノフスキー。退屈ではありますし、監督の独り善がりな面もあるにはあるんですが、個人的にはこういう振り切った作品は好きです。

◆ダーレン・アロノフスキー監督作品の評価
「ブラック・スワン」 ★★★★★★★★★☆

ドリーム ★★★★★★★★★☆
「Hidden Figures」という原題を、全く関係ない邦題に変えてしまったことで(マーキュリー計画の映画であるにもかかわらず、最初は「私たちのアポロ計画」なんていうサブタイトルまで…)、イメージが悪くなってしまった本作ですが、作品自体はケチのつけようがない傑作でした。
基本的には才能豊かな人間の物語なんですが、マーキュリー計画で想像するような難解さはなく、差別に立ち向かう黒人女性たちの実話を基にしたサクセスストーリー。タラジ・P・ヘンソン、オクタヴィア・スペンサー、ジャネール・モネイといったアメリカ映画界を代表する黒人女優が3人も出演し、その演技に魅了されているだけであっという間に時間が過ぎていきます。特にタラジがトイレ問題を訴えるシーンは胸が熱くなりましたよ。
前例がないなら前例を作ればいいというメッセージも押しつけがましくなく染み入ってきますし、人種、性別だけでなく、日常生活で差別されていると感じることがあるすべての人に観てほしい作品。
音楽も好みでした。

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エル/ELLE 他

エル ELLE ★★★★★★★★☆☆
暴漢にレイプされた中年女性が主人公なんですけど、斬新なのは彼女が犯人への復讐に燃えるわけでもトラウマに苦しむわけでもなく、事件後も淡々と生活をしているところ。それでも夢中になれるのは、ひとえにイザベル・ユペールの演技によるものでしょう。時には冷酷な上司として、時には息子の将来を心配する母親や姑として、そして時には大胆に不倫をする女として、様々な顔を見せるところが口角下がりまくりのイザベル・ユペールにピッタリ。
映画自体はフランス映画らしく性描写も露骨なんですけど、生々しいけど下品じゃないので、雑念が入らずに物語の行く末に集中できますね。おバカな男たちがミシェルを巡って繰り広げる攻防も面白いんですが、どんどん深みにハマっていったところでラストがちょっと期待外れだったのが減点要素。それでも、近年稀に見る変態映画で見応えがありました。



ゲット・アウト ★★★★★★★☆☆☆
逆人種差別ホラーとでも言うんでしょうか。ホラー映画にもかかわらず賞レースを席巻し、興行面でも成功を収めた作品。
黒人青年のクリスが白人の恋人の実家へ行くと彼女の家族に予想外に歓迎されるが、滞在中に次々に胡散臭い人々と出会うことになります。愛想がよすぎる白人たちとどこかよそよそしい黒人たち、彼らには大きな秘密があって…という話。
夜な夜な庭を走る使用人や、揃って帽子を被っているクリス以外の黒人たちなど、終盤に謎が一気に明かされる展開はホラーというよりサスペンス的。主演のダニエル・カルーヤもよかったですが、キース・スタンフィールドの不気味な表情が印象的でした。ただ、伏線張りまくりで複数回観るのが前提になっているような作りなので、一度では平凡なホラーに映ってしまうところもありますね。僕自身、解説を読まないと理解できない部分も多く、期待しすぎていたせいでちょっと肩透かしに感じてしまいました。

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君の名前で僕を呼んで

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今年のアカデミー賞で作品賞をはじめ複数ノミネートを果たし、脚色賞を受賞した男同士のラブストーリー。昨年の「ムーンライト」同様、賞レースで話題になった同性愛モノですけど、印象は全く違いますね。こちらは日本人女性が好みそうなイケメン同士の恋愛が堪能できます。

とりあえず、オリヴァー役のアーミー・ハマーは今まで見た中で最もかっこよかったです。余裕がある男風で序盤は鼻につくんですけど、エリオ(ティモシー・シャラメ)に惹かれてからの戸惑う表情などは、普段と違う幼さも見えたりしました。まぁ、24歳の若者には見えませんでしたけどね。クラブで踊っている姿もおじさんっぽさがありましたし…(個人的には好きでしたが)。いっしょに観た女子は胸毛だけがNGと話していましたが、それでも惚れたそうです。

17歳のエリオを演じたティモシー・シャラメは繊細な表情が印象的。さらに、ピアノも抜群に巧くて英語だけじゃなくイタリア語やフランス語も堪能というんだから人気が出ないわけがありませんね。

北イタリアの景色も美しく、ピアノがメインの音楽もどれも印象的。スフィアン・スティーヴンスの「Mystery of Love」は観賞後すぐダウンロードしました。避暑に来ているわけだから二人とも大半で上半身裸で登場していても違和感がないなど、耽美派映画の最高峰ともいえるほど美を追求した作りになっています。

繊細さに拘った結果か、全体的に淡々としていて中弛みしたのは確かで、もう少し盛り上がりが欲しかったところですが、その分、登場人物の表情の変化やセリフの行間を読み取る楽しさが凝縮されています。
それにしても、このタイトルはパッと見ロマンチックですけど、劇中ではなかなかの変態セリフになっていて笑えました。

★★★★★★★☆☆☆

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シリアスマン 他

ワンダーウーマン ★★★★★★★☆☆☆
決して得意なジャンルではないのに、毎年量産される上にことごとく関連性があるためにコンスタントな観賞を強いられるアメコミ・ヒーローもの。これも普通だったらスルーしそうなところですけど、後の「ジャスティス・リーグ」に繋がってくることと、海外で予想以上の大ヒットになったことで観ることにしました。
まずこれ、キャスティングに関しては100点満点です。とにかく主人公のダイアナを演じるガル・ガドットが美しすぎるんですよ。均整の取れた身体で戦う姿はもちろん、戦闘以外での世間知らずっぷりもギャップ萌えポイントだし、さり気なく衣装も凝っている…。2000年代のアンジェリーナ・ジョリーならアクションはこなせたかもしれませんが、彼女だとエロくなってしまうんですよね。その点、ガル・ガドットはバランスがいいです。クリス・パインもサポート役として最高の働きを見せていました。ドクター・ポイズンはどこかで見た顔だと思ったら、「私が、生きる肌」のベラだったんですね~。ジャスティン・ティンバレイク「SexyBack」のPVにも出ていたので印象に残っています。
ストーリーや映像面はこの手の作品として突出したものはないものの、女性ヒーローの一作目としては上出来だと思います。ワンダーウーマンのテーマも最高!



シリアスマン ★★★★★★★☆☆☆
「シェイプ・オブ・ウォーター」での演技が印象的だったマイケル・スタールバーグがコーエン兄弟監督作品で主演を務めていたと知り、配信をレンタル。この作品、DVDは未発売なので、アカデミー賞の作品賞にノミネートされていたにもかかわらず完全にノーマークでした。
大学で物理学を教える平凡な男が、周囲のごたごたに巻き込まれていくうちに歯車が狂い出すという展開は「ファーゴ」を思わせるもので非常に好み。僕は、人生のすべての出来事に意味があるとは考えていますが、すべての出来事に意味を求めてはいけないという思いも同時に持っています。本作で翻弄される主人公も何をやっても上手くいかない時に理由を探そうとしますが、困難に立ち向かうべきか、あるがままを受け容れるべきかという悩みは共感できますし、しかし傍から見ると本人の問題のようにも思える意地の悪さもいいですね。
「ファーゴ」に比べると事件性がないためにドキドキが少なく、強い宗教色が難解に感じられる箇所もあるので、点数は控えめですけど、コーエン兄弟監督作の中では「ファーゴ」、「バーバー」に次いで好きな作品になりました。

◆代表的なコーエン兄弟監督作品の評価
「ファーゴ」 ★★★★★★★★★☆
「ノーカントリー」 ★★★★★★☆☆☆☆
「トゥルー・グリット」 ★★★★★★★☆☆☆

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美女と野獣 他

美女と野獣 ★★★★★★★☆☆☆
昨年公開の実写版。アニメ版は観たことがなく、あらすじを大まかに知っている程度でした。
で、全体としては、見せ場はいくつかあれど想定内の作りだったなという印象。美術のクオリティは文句なしで、CGも効果的に使われてはいるんですが、ここまでCGの割合が多いともはやアニメでいいじゃんと思ってしまいますし、ベルの自立した女性像も現代では珍しくもないですし…。まぁ、僕はファンタジーが得意でないのでどうしても厳しめにはなりますが。
ただ、エマ・ワトソンのキャスティングは見事でした。ハーマイオニーという、2000年代を代表するヒロイン像が定着しているにもかかわらず、これまたディズニーを代表するヒロインを違和感なく演じているのに驚かされます。
音楽は、正直世間で評価されているほどの魅力は感じなかったな。それでも主題歌の破壊力は抜群で、流れた瞬間に気持ちが昂る自分がいました。今さらですけど、アニメ版も観てみようと思います。

イントゥ・ザ・ウッズ ★★★★☆☆☆☆☆☆
これ、ミュージカルだったんですね。しかもロブ・マーシャル監督の。メリル・ストリープを筆頭に、エミリー・ブラント、アナ・ケンドリック、クリス・パインといった豪華キャストを揃えながら、ビックリするほどつまらなかったです。
舞台が森なので映像がずっと暗いですし、ミュージカルなのに曲が耳に残らないのが致命的。歌自体はみんな上手いんですけど、肝心の楽曲がこのレベルなら普通にセリフを読ませればよかったんじゃないかという気さえしてきます。
有名なおとぎ話のキャラクターが多数登場するところは好みでしたが、みんな個性に欠けてオリジナルよりもいいイメージを持ったキャラはほとんどいませんでした。面白かったのは頭の悪い王子二人くらいか。展開もいろいろブレンドしようとしたせいでブツ切り感が強く、結末も旧世代的というか素人でも考え付きそうな感じじゃないですかね。
多少は期待していただけにいろいろと残念でした。

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  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
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