Music Review (2018年5月)

Sex & Cigarrette / Toni Braxton ★★★★★★★☆☆☆
Babyfaceとの共作「Love, Marriage & Divorce」を挟んで、ソロとしては8年ぶりとなる新作。得意のミッド~スロウを中心としたアルバムで驚きこそ皆無ですが、Toniは「More Than A Woman」で大コケした過去があるだけに、こういう路線で正解なんだと思います。
ダンサブルな曲であっても先鋭的なトラックではなく、「(3)Long As I Live」のような90年代の香り漂う上品なトラックが多いのも、今なら逆に新鮮。ヴォーカルは全盛期より抑え目ながら、声の魅力は以前と変わっていません。
まぁ、これまでのアルバムよりも長く聴けるかというと返答に窮するし、8曲で30分という尺は短すぎて印象に残りにくいという欠点もありますけどね。寡作な人なんだからあと2曲くらいは収録してほしかったところです。

◆前作の評価
「Pulse」 ★★★★★★★☆☆☆
「Love, Marriage & Divorce」 ★★★★★★★☆☆☆

「Long As I Live」


My Dear Melancholy, / The Weeknd ★★★★★★☆☆☆☆
一応The Weekndのニューアルバムと謳っていますが、6曲しか収録されていないので実質EPのような感覚。
テーマが失恋や喪失だけあって、路線としては初期作に見られたアンビエントなものが目立ちます。とはいえ、Skrillexがプロデュースした「(3)Wasted Times」は独特の中毒性があり、「(5)Hurt You」は前作の「I Feel It Coming」に通ずるものがあるなど、聴きどころは満載。「(4)I Was Never There」と(5)を手掛けたフランス人DJのGesaffelsteinがなかなかいい仕事をしていますね。
ただ、やはりボリュームが少ないせいでアルバムの全体図が見えづらいという面もあり、彼のこれまでの作品に比べると繰り返し聴きたくなるようなパワーには欠けますけど、題材的にも落ち着く前(失恋のショックが癒える前)に作品にしたかったということなのかなという風には受け取れます。

◆前作の評価
「Starboy」 ★★★★★★★★☆☆

「Call Out My Name」(US4位、UK7位)
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テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE
ジャンル : 音楽

Music Review(2018年4月)

Culture 2 / Migos ★★★★★★☆☆☆☆
前作は結局レビューすることなく終わってしまいましたが、全米のトラップブームの立役者として100万枚を超すセールスを記録。一年という短いインターバルで発表されたこの「Culture 2」も前作の勢いそのままに、路線も引き継いだ作品になっています。
そして旬のアーティストだけあってゲストが豪華! 1stシングル「(17)MotorSport」ではNicki MinajにCardi Bといった人気女性ラッパーを招いたかと思うと、他にもDrake、Post Malone、Travis Scottといったところが名を連ねています。地味ですがDrake参加の「(6)Walk It Talk It」なんかは好み。
ただ、個人的な印象としてはトラップは飽きが早いと思うんですよ。すべて同じような音に聞こえてしまいます…。しかも今作はCDなら2枚組の全24曲。なおさら後半ダレやすいんですよね。アルバム通してのストーリーがあるわけではないですし、半分程度のボリュームなら次回作も楽しみに待てると思うんですが…。

「Walk It Talk It」(US10位、US R&B7位)


Dua Lipa / Dua Lipa ★★★★★★★☆☆☆
モデル業と並行という風に聞いていたので、クセのないポップスかと思いきや、意外なほど個性のはっきりしたアーティスト。このハスキーヴォイスがたまりません。「(10)New Rules」のPVを観てそのルックスに惹かれたのが彼女を知ったきっかけですが、アルバムもなかなかどうして高いクオリティを保っています。
イメージとしてはロック色を薄めたP!nkといったところでしょうか。彼女やAdeleのようなカリスマ性はないものの、その分聴きやすい感覚は残ります。楽曲単位では(10)の出来が際立っていますけど、「(6)Blow Your Mind (Mwah)」あたりもヒット性が高く、アップとの相性がいいことを証明しています。半面、バラード系は既聴感が強く平凡な印象も…。
自身でソングライティングもできるようですが、一曲一曲のクオリティの高さやMiguelのような異色のコラボがあったことを踏まえると、バックアップがしっかりしていたのは間違いないと思われます。Dua Lipa本人の関与率が上がるはずの2ndがどういう内容になるのか、今から期待半分、不安半分です。



「New Rules」(US6位、UK1位)。Brit Awardでのパフォーマンス。

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review(2018年3月Part1)

Drunk / Thundercat ★★★★★★★★★☆
鋭い眼光のジャケットに引いてしまってなかなか聴く気になれなかったんですけど、手を出してみたら驚くほど自分好みのアルバムでした。当ブログでも昨年の年間ベスト9位に入れたんですが、その後も飽きずに聴き続け、もしかしたら1位にしてもよかったんじゃないかと思えるくらいの愛聴盤に…。
まず、インストとしても聴けてしまうくらいトラックが素晴らしいです。BGMとして聴いてもおしゃれでありながら、しっかり向き合えばちゃんと新たな発見がある奥深さ。ソウル、ジャズ、ファンク、テクノ…、様々なジャンルを融合させながら、温もりのあるヴォーカルで統一感のあるアルバムに仕上げています。特に「(9)Show You The Way」の心地よさといったら…。
この人の作品を知らずに過ごしてきた日々を後悔してしまうくらいよく出来ているんですが、アルバムをトータルアートとして見た場合、音とのギャップがありすぎるジャケットだけが重ね重ね残念です。これだけでどれだけのリスナーを逃していることか…。



「Show You The Way」


「(12)Tokyo」


Camila / Camila Cabello ★★★★★★☆☆☆☆
一昨年にFifth Harmonyを脱退した後も精力的に客演をこなし、ついに放たれたソロ・デビュー作。グループで培われたポップスやR&Bの要素に、キューバ出身の彼女らしいラテンフレイバーが散りばめられています。
先行シングル「(4)Havana」が近年のラテンブームに上手く乗った形で大ヒットを記録しましたが、全体的には割と普通のポップアルバムで、個人的には物足りませんでした。「(2)All These Years」や「(10)Into It」あたりは、クオリティに不満はないものの、ひとりFifth Harmonyといった風で新鮮味に欠けますしね。
ハスキーなヴォーカルは個性的だと思いますし、若いながらも既にキャリア十分なので、Rihannaが故郷バルバドスをルーツにしたレゲエ音楽を発端に独自の音楽を発展させていったように、Camilaも今後化けていく可能性は秘めていると思いますが…。

「(1)Never Be The Same」(US24位、UK7位)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Man Of The Woods / Justin Timberlake



Justin Timberlakeの4年半ぶりとなる新作は、盟友Timbalandやソロデビュー作「Justified」以来となるThe Neptunesという強力な布陣で、1stシングルの「(1)Filthy」こそフューチャリスティックなトラックながら、全体的には彼の出身地であるテネシー州メンフィスを思わせるカントリー色漂うアルバムでした。

彼がこれまで1stシングルとして送り出してきたのが「Sexyback」や「Suit & Tie」のような個性的かつ分かりやすい曲だったのに対し、今回の(1)は非常に難解でいまいちノレなかったんですよね。続く「(7)Supplies」も地味で中毒性がなく、3rdシングルでシンガーソングライターのChris Stapletonを招いた「(9)Say Something」でようやくしっくり来た程度だったので期待値は下がっていたんですが、実際はいい方向に裏切られました。

今回印象に残ったのは70~80年代を彷彿とさせるソウルサウンドと彼のファルセットの相性。「(2)Midnight Summer Jam」や「(12)Montana」あたりにその特徴がはっきり現れていますね。「(5)Higher Higher」なども非常にクセの強い曲ながら不思議な中毒性を備えています。そしてファルセットのインパクトが強いためにJustinの地声もさらに魅力的に聴こえるマジック。

大半をThe Neptunesが手掛けているせいか、「Justified」を思い出す瞬間もありますが、トータルではやはりこれまでの彼の作品とは全くの別物。先行シングル「Filthy」に惹かれた人や、一昨年大ヒットした「Can't Stop The Feeling」のポップ性を期待しているには物足りない内容かもしれません。しかし、ポップアイコンではなく、ヴォーカリストとしての才能を発揮した今作は今後キャリアを築く上で重要な一枚になるはずです。欲を言えば「Midnight Summer Jam」をシングルカットして、キャッチーなビデオを撮ってほしいところですけどね。

★★★★★★★★☆☆

◆前作の評価
「The 20/20 Experience」 ★★★★★★★★☆☆
「The 20/20 Experience 2 of 2」 ★★★★★★★★☆☆

「Say Something」(US9位、UK24位)

テーマ : 洋楽CDレビュー
ジャンル : 音楽

Music Review(2018年1月)

Revival / Eminem ★★★★★☆☆☆☆☆
Eminemの4年ぶりの新作。リリース前に公開したトランプ大統領を批判したビデオが話題になったために、社会派アルバムかという予想もしましたが、実際はBeyonceやEd Sheeran、Alicia KeysにP!nkといった人気アーティストと組んだ豪華な内容。ただし、社会的だったり内省的だったりという曲もあり。
ただ、はっきり言ってしまうと今回のアルバムは全く面白くありません。全体的にトラックがダークな上に工夫がないんですよね。昔ならコミカルな曲を先行シングルにして、それとはタイプの違う曲を次々とシングルカットしていったものですが、今作は過去作からシングルを抜いたかのような地味で単調な展開。ゲスト陣も新しい面が見えるわけでもないし、主役のEminemにも新鮮味はなし。豪華客演陣を目立たせるのならもっと華やかな曲を揃えてもらいたかったところです。

◆前作の評価
「The Marshall Maters LP2」 ★★★★★★★★☆☆

「Walk On Water」(US14位、UK7位)


No_One Ever Really Dies / N.E.R.D ★★★★★★★☆☆☆
前作「Nothing」はあまり聴きませんでしたが、基本的に彼らの制作するトラックは好物で、特に「Seeing Sounds」は今でもたまに引っ張り出してくるほど。
ファンクやロックを取り入れたヒップホップという彼らのカラーは今回も変わっておらず、Rihannaをフィーチャーした1stカット「(1)Lemon」からもう尖っています。メロディアスなラインからKendrick Lamarの高速ラップに繋がる「(5)Don't Don't Do It」は、2016年に起きた警官による黒人男性射殺事件にインスパイアされた曲。パーティソングのようでいて、実は強いメッセージが込められているという懐の深さ。
クセは強いので今のところまだヘビロテにはなっていないものの、相変わらず限定的な音数でこれだけのバリエーションを出してくるところなど感心しますし、ゲストが豪華なのは上のEminem同様ですが、こちらの方がアーティストの個性を活かしたり、新たな一面を引き出すことに成功しているな、と。

◆過去作の評価
「Seeing Sounds」 ★★★★★★★★☆☆



「Lemon」(US40位、UK31位)

テーマ : HIPHOP,R&B,REGGAE
ジャンル : 音楽

プロフィール

いぬふく

  • Author:いぬふく
  • 趣味は多数。テニスは主にWTA(女子テニス)、音楽はアメリカンR&BとHIPHOP、ゲームと映画、読書はジャンル問わず。
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